研究課題/領域番号 |
19K20466
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
増木 新吾 島根大学, エスチュアリー研究センター, 客員研究員 (80806894)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アオコ / ダム湖 / 藍藻 / アオコ対策技術 / シアノバクテリア / 藻類異常増殖 / ダム管理 / 富栄養化 / 貧栄養化 / ミクロキスティス / アオコ対策 / ダム |
研究開始時の研究の概要 |
申請者ら世界的にも問題となっているダム湖でのアオコを対象とした研究を実施してきている。2017~2018年には,従来手法と比較して詳細なデータが得られる観測手法を用いた調査を尾原ダムにおいて実施し,降雨に起因するアオコ発生メカニズムを明らかにした(増木ら,2018,土木学会水工学論文集)。本研究では,申請者が明らかにしたアオコ発生メカニズムの普遍性(一般性)について明らかにするものである。本研究の実施により当該分野における重要な知見が得られるのみならず,世界的に大きな問題となっているアオコの対策技術への波及効果も強く期待できるものである。
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研究成果の概要 |
ダム湖に形成される貧栄養層がアオコを抑制する要因であること、また、貧栄養層が一定規模以上の降雨により解消されることがアオコの発生要因であることを報告した(増木ら、2018、土木学会水工学論文集)。本研究では、これら現象の普遍性を調べた。その結果、富栄養湖であるダム湖において、夏季には深度0.5~2mの表層部が貧栄養状態になる点を確認した.大規模な降雨の後,およそ10日間の後に藍藻類が増殖を開始する点も,普遍性が確認できた.一方,成層破壊後もリン制限状態が継続する場合,藍藻類の異常増殖(アオコ)の状態には至らなかった.流入水の栄養塩特性がアオコの発生に影響を与える可能性があることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アオコは景観を悪化させ、悪臭を放ち、水源利用する場合には飲用水にカビ臭を生じさせ,毒素による人への健康被害も報告されている。また,下流域の生態系に悪影響を及ぼす可能性もあり,アオコの低減化に関する研究および技術開発は極めて重要である。 アオコの発生メカニズムは、未だ十分に理解されておらず、現在も様々な研究が続いている。本研究では、既報の「ダム湖の表層貧栄養層の形成がアオコの抑制に繋がること」、そして、「降雨による攪乱作用により表層貧栄養層が解消されることがアオコの発生トリガー」であることの2点について、他ダムを選定し、その普遍性を調べた。より効果的なアオコ対策へと繋がることが期待される。
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