研究課題/領域番号 |
19K20480
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
山中 理代 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (20573819)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 汚染物質低減・除去 / シロキサン発生抑制 / 宇宙環境利用 / シリコーン系接着剤 / 微小スペースデブリ / コンタミネーション / 汚染物質 |
研究開始時の研究の概要 |
人工衛星に用いた接着剤などの使用材料から低分子シロキサン類などのガスが放出し、汚染物質として搭載機器に付着し不具合が生じることがあり、その発生抑制や低減は喫緊の解決課題である。本研究では、主な汚染物質としてシリコーン系シロキサンを選択し、その低減・除去に有効な吸着材料と対策手法を開発する。本開発手法により、宇宙の極限環境での運用機器の安心安全を確立するとともに、半導体製造開発分野や日常社会での先進清浄環境の構築を図る。
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研究成果の概要 |
宇宙機の長期使用機器素材に由来する汚染物質の低減・除去に有効な吸着材料に焦点を当て、性能低下抑制方法の確立を目指した。MCM-41を基材とする吸着材料を用いると、対象条件下で吸着したモデル汚染物質の一つであるシリコーン系シロキサン化合物を200℃以上まで保持し汚染を効果的に抑制できる事を明らかにした。さらに、本研究開発で試作した粘土粉末混合吸着材料は、打上げ時の耐衝撃・振動性はISSの要求を満たし、放出ガスによる汚染を70%以上抑制することができた。 現在、本開発吸着材料をISS欧州実験棟で計画の材料曝露実験に供し宇宙実証データ取得を進め、本研究成果の可能性をさらに明確にする予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軌道上の宇宙機では搭載物品の交換は困難で、吸着材料を使用して材料由来の汚染物質の低減・除去を行うには、一度吸着した汚染物質を保持し続ける性質を持つことが必要である。加えて、打上げ時の振動・衝撃に耐えて粒子等の新たな汚染の発生源とならないことも重要な条件である。本研究で開発した吸着材料はどちらの条件も満たし、かつ、汚染物質の付着を70%以上抑制する吸着材料であり、汚染物質の新たな低減・除去技術を創出できたと言える。 本技術は宇宙機や宇宙探査機等の極限環境での運用機器利用に資するのみならず、高精細な製造開発分野や日常社会でも清浄環境の構築に大きく貢献できる技術として発展することが期待される。
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