研究課題/領域番号 |
19K20483
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉村 彰大 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (60800935)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 白金族金属 / リサイクル / 使用済み触媒 / 固体王水 / 固液分離 / 溶融塩 / 貴金属リサイクル |
研究開始時の研究の概要 |
白金を含む白金族金属は、自動車用触媒など工業用途の消費が増加傾向にある一方、資源として極めて希少であり、近年は使用済み製品からのリサイクルが推進されている。現在は湿式法や乾式法が利用されているが、湿式法では強毒性の廃液発生が、乾式法ではエネルギー消費が問題とされている。本研究では、溶融塩による白金族金属の効率的な塩化・溶解と、固液分離を利用した白金族化合物の容易な析出・回収の組み合わせで、環境負荷の小さなリサイクル手法を確立する。さらに、マテリアルフロー分析により白金族金属のリサイクルポテンシャルを明らかにし、効率的なリサイクルプロセスの構築を行う。
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研究成果の概要 |
白金に代表される白金族金属(Platinum Group Metals, PGMs)は、環境・先端技術に非常に重要な素材である一方、精錬やリサイクルの環境負荷が大きく、供給安定性も低い。本研究では、塩化鉄(III)を主体とする複合溶融塩を「固体王水」として利用することで、廃液の発生や高温での処理を抑制しつつ、穏和な条件でPGMsを直接処理・回収できる手法を確立した。加えて、従来は複雑なプロセスによる元素同士の相互分離も、ごく単純なプロセスで達成できる手法も確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PGMsは貨幣や宝飾品の他に工業的にも利用され、環境・先端技術分野では自動車用触媒や半導体製造用るつぼなどが挙げられる。一方で精錬やリサイクルの環境負荷の大きさや、供給安定性の低さから、リサイクルによるスクラップの有効利用が極めて重要となる。本研究における「固体王水」は、従来よりも穏和な条件で効率よくスクラップを処理できる基礎的技術となり、二次資源としてのスクラップの利用可能性を向上させることで、一次資源必要量の削減とあわせてPGMsのライフサイクル全体での環境負荷の大きな軽減が期待される。
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