研究課題/領域番号 |
19K20485
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
中村 武浩 近畿大学, 薬学部, 助教 (60803773)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 茶粕 / 有害金属 / 染料 / 水質浄化 / 吸着 / 茶粕廃棄物 / 排水の除染 / 有害金属の吸着除去 / 染料の吸着除去 / 再資源化方法の開発 / バイオマス / 有機金属反応 |
研究開始時の研究の概要 |
茶飲料は日本国内でも消費量の多い飲料種であり,年間約600万klが生産された結果,約12万トン/年の茶粕廃棄物が排出されている。茶粕廃棄物には有機資源として再利用可能な成分が多く残されているが腐敗が進行しやすく,飼料化,工業材料化,エネルギー化のいずれにおいてもリサイクルするためのコストや施設整備等が問題となる。本研究では,当該領域でほとんど活用されていない「有機金属錯体の反応理論」を応用し,汚染水中の有害な金属を除去する「リサイクル資源」として,茶粕廃棄物を低コストで活用する新たな再資源化技術を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では,国内外および様々な地域で消費される21種類の茶葉(紅茶6種,緑茶4種,烏龍茶4種,ハーブ茶2種,健康茶5種)から得られた茶粕を用い,有害金属5種(カドミウム,鉛,クロム,ヒ素,水銀)およびイオン性染料5種(アシッドオレンジ7,メチレンブルー,カヤクリル染料3種)の吸着除去性能を解析した。吸着剤としての物理化学的特性および吸着パラメータを評価することで,その吸着機構を解析した。茶粕は特別な処理を施すことなく,上記の有害物質の内,カチオン性を有するものに対し,高い吸着性能を発揮しうることを明らかとすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は,茶粕の新たな再資源化方法として水質汚染物質に対する吸着剤へ適用が可能であることを示すものである。また,比較的大きなスケールで,特別な処理を施すことなく,簡易な操作で,時や場所を選ばずに適用可能な方法であるため,世界中のあらゆる場所や地域で実用化できる可能性がある。さらに,この現象が特定の茶種に限らず,多くの茶種で同様の機構を以って起こる現象であるとする知見を見出している。再資源化の利用先を広げることで産業廃棄物を減容し,水質汚染物質を除去することで,安全な水の確保や水域環境を保全するSGDsへの貢献が考えられる。
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