研究課題/領域番号 |
19K20492
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
秦 彩夏 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 研究員 (30781695)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ニホンジカ / 安定同位体 / 農作物 / 個体群動態 / 空間分布 / 大型哺乳類 / 農作物被害 / 安定同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、個体数増加とそれに伴う農業被害増加が問題となっている野生ニホンジカを対象に、安定同位体比分析を用いて農作物の採食依存度を定量化し、農作物への依存が成長・繁殖に及ぼす影響を検証する。更に、農作物依存個体の分布に影響する環境要素や空間スケールを決定する。得られた結果をもとに農作物依存個体の分布予測マップを作成し、管理優先度の高い地域を可視化する。本研究はニホンジカ個体数増加の原因とプロセスの解明に寄与すると共に、個体数低減や農作物加害個体の選択的駆除の推進に資する農作物依存個体の空間分布情報を提供する。
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研究成果の概要 |
全国各地で農業被害が問題視される野生ニホンジカを対象に、窒素安定同位体比分析を用いて農作物依存度を定量化し、農作物依存が成長・繁殖および空間分布傾向にもたらす影響を検討した。その結果、若齢個体では農作物依存度が高いほど体サイズが大きくなり、妊娠率も高くなる「早熟化」現象が生じることが分かった。更に農作物の生産が減少する冬から春の間でも、農地に近い場所に分布するメスほど農作物への採食依存度が高いこと、農作物を採食する可能性は農地から5-10km離れると半減することが分かった。シカによる更なる農業被害の増加を抑制するためには、農地への侵入防止対策や農作物依存個体の駆除が重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農作物への長期的な依存が野生シカ個体の早熟化現象をもたらし、個体数の更なる増加に寄与する可能性が示唆されたことは、農地を含む景観に生息する動物の個体群動態を理解し、管理方針を検討する上で重要な情報である。また、同一個体群内であっても農作物依存度には個体差が存在すること、農作物依存個体の空間分布傾向には偏りが存在することを明らかにしたことは、農業被害の低減を目的とした加害個体の捕獲等、より効率的・効果的な管理労力の投入場所の選定に寄与する。本研究成果を礎として農作物加害個体を対象とした管理手法の更なる開発が進むことで、野生動物による農業被害の低減と個体群の保全の両立に寄与できるだろう。
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