研究課題/領域番号 |
19K20496
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
種田 あずさ (鈴木 あずさ / 種田あずさ) 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 主任研究員 (70585314)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 窒素 / リン / 産業連関分析 / 作物生産 / 降雨 / 食料消費 / フットプリント / 環境リスク / 豪雨 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、豪雨の影響が増加した状況における、栄養塩の効率的利用と環境負荷低減に資する「地域食料システム」をつくるための学術的基盤を構築する。まず、日本各地域の窒素とリンの農地投入量・環境排出量データを整備する。これを経済取引データである産業連関表と接続し、現状の地域間の窒素・リン負荷誘発構造を解明する。次に、作物供給と豪雨災害に関する地理情報のデータと合わせた解析により、窒素・リン流出リスクマップを作成する。そして、現状の誘発構造とリスク情報を統合した分析により、農作物の豪雨被害を考慮した日本の地域間の窒素・リン負荷誘発構造を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、降雨の影響が増大した場合でも「地域食料システム」が栄養塩を効率的に利用するための学術的基盤の構築を目指している。具体的には、地域食料システムにおいて栄養塩を効率的に利用するためにどのようなリスク管理策を優先的に取るべきかの検討に向け、窒素とリンに関して下記の3つの課題に取り組んでいる。 [A]現状の地域間の窒素・リン負荷誘発構造の解明 [B]降雨による農地からの栄養塩流出リスクの推計 [C]降雨量の多い時と平常時の食料生産・消費を通じた栄養塩フローの変動の比較 2022年度においては、[A](a)国内の作物生産に伴って生じる農地投入量として、化学肥料・有機肥料・生物的窒素固定・灌漑水流入・大気沈着の5つの窒素源を考慮した推計を、農地からの持ち出し量として、収穫物・残渣中の含有量の推計を完了した。これらにより修正した流出量の推計を完了した。[A] (b)窒素・リン解析用多地域間産業連関モデルの構築と適用に関しては、経済取引データベースである産業連関表と流出量推計とを組み合わせた窒素・リン解析用多地域間産業連関モデルについて、2006年度から2018年度の経年変化をみるためのデータ構築を完了し、基準年のデータについて輸出入の影響を考慮して解析した。現在、解析結果を精査している。[B]に関しては、基準年の流出量推計について、モデルの変数(パラメータ)の修正をさらに検討した結果、より多いサンプルからの修正が必要と判断し、解析元データのサンプル数を増やして再解析を進めている。[C]に関しては、比較そのものは上記[A]、[B]の完了後に進めるが、今後の展開に向けて、作物生産の予測モデルとの連携による気候変動適応策への応用利用や、圃場レベルの窒素動態モデルとの連携による新たな窒素フットプリントモデルの構築を進めている。また、気候変動予測モデルとの連携による将来予測も検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
産前・産後休業および育児休業を取得したため、解析はやや遅れているが、さらなる発展に向けた連携は当初計画より大きく進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
現状の地域間の窒素・リン負荷誘発構造について、解析結果を精査し、まずこの部分の成果をまとめる。次に降雨による農地からの栄養塩流出リスクの推計を完了させ、降雨による栄養塩フローの変化を成果としてまとめる。そのうえで、両者を比較しながら気候変動予測と合わせた評価の検討を進める。
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