研究課題/領域番号 |
19K20499
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 陽大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (70829499)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 地熱資源探査 / 地熱貯留層 / pH / Shadow効果 / 東北 / 断層 |
研究開始時の研究の概要 |
東日本大震災以降,国内では地熱開発促進の機運が高まっているが,地熱開発促進には,開発リスクを低減する新技術が不可欠である。申請者が提唱する「ストリームpHマッピング法」は,経済性および迅速性に優れる新しい地熱資源探査法として,地熱開発リスクの低減に寄与することが期待されている。しかし,事例が少ないために,未だ概念の提唱にとどまり,実用化には至っていない。本研究では,複数の地熱地域でストリームpHマッピング法による地熱資源探査を実施し,概念を実証し,実用化を目指す。これによって,社会的要求である地熱開発促進に貢献する。
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研究実績の概要 |
pHマッピング法は,迅速性および経済性の点において既存地熱探査手法より優位であると考えられるが,未だ概念の提唱にとどまり,実用化に至っていない。 本研究では,地熱貯留層位置が明確な地熱地域において,pHマッピング法による探査を実施し,その結果を精査することで概念の検証および性能評価を実施し, pHマッピング法の実用化に向けた課題の抽出およびブラッシュアップすることを主な目的としている。 これまでの研究では,地熱貯留層位置が明確な地域における検証を実施し,pHマッピング法による地熱貯留層位置の推定には「EC-pHグラフの検証」と「測定地点における集水面積評価」という2つのデータスクリーニング法が不可欠であることを示した。さらに,2つのデータスクリーニング法のうち「測定地点における集水面積評価」はすでに確立された手法であるが,「EC-pHグラフの検証」は既往例が存在しないことから,その汎化性を評価する目的で全国の主要地熱地域における地表水データを収集し,ECとpHの関係性について検討した。その結果,pHマッピング法が国内の主要地熱地域において適用可能であることを示唆する結果を導出することに成功した。 現在は,過去に地熱関連調査が実施されておらず,既存データの乏しい地域においてpHマッピング法を適用することを想定し,「開発に適した地熱貯留層位置を推定するために必要なデータ数や,データ密度の定量評価」について,地形学や地球統計学的手法を駆使した検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,pHマッピング法の実用化に向けて,「1.現地調査による性能評価」,「2.課題抽出」,「3.ブラッシュアップ」という3つの課題を軸に研究活動を進めている。 これまでに,「1.現地調査による性能評価」,「2.課題抽出」については一定の成果を出すことに成功しており,「3.ブラッシュアップ」についても,データスクリーニング法の検証を行い,pHマッピング法による地熱貯留層位置の推定が,国内主要地熱地域において実施可能であることを示唆する結果を導出することに成功した。現在は,過去に地熱関連調査が実施されていない地域においてpHマッピング法を適用することを想定し,最低限必要なデータ数およびデータ密度等の空間分布について検討を進めている。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で当初の予定通りに野外調査等が実施できない時期もあったが,当初の想定以上に良好な結果の導出に結びついていることから,本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在は,pHマッピング法の実用化に向けて抽出された課題のひとつである,「貯留層位置を推定するために最低限必要なデータ数およびデータ密度の定量評価」について検討を進めている。具体的には,pH マッピング法によって地熱貯留層位置を推定する際の空間分布等について,GISや地形学や地球統計学的手法を駆使して検討している。
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