研究課題/領域番号 |
19K20504
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石原 広恵 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70821362)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 関係性価値 / 日本 / 生物多様性 / 生態系サービス / 漁業管理 / 制度 / 生業 / 自然から人間社会が受ける貢献 / Socio-Ecological Syetem / 農村 / 漁村 / ネットワーク分析 |
研究開始時の研究の概要 |
生態系サービスの評価の枠組みが、経済学以外の社会科学の知見を無視しているとして批判されている。このような中で生態系サービスを「自然がもたらす人間社会への恵み」と捉え直し、自然と人間が共同で生み出す「関係性価値」を議論する動きが広まっている。しかし、これらの議論は現段階では理論的な展開にとどまっており、まだ社会実装されていない。本研究においては、社会学の知見を「関係性価値」の概念に取り入れつつ、日本の農漁村の事例研究を実施する。また、「関係性価値」を評価する手法を確立するとともに、これらの価値を可視化することで、「生態系サービス支払い」などの従来の政策を補完する新たな環境政策の可能性を模索する。
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研究実績の概要 |
2020年4月より、コロナ禍にあり、三重県志摩市和具地区において現地調査を実施することができていない。そのため、過去の調査結果をまとめ、英語誌に投稿するととともに、関係性価値に関する文献研究を実施している。過去の調査結果に関して、石原は共同研究者(徳永及び内田)とともにイセエビ漁業の管理に関する論文をまとめ、Ecological Economics誌に投稿し、それが2020年12月にアクセプトされた。本論文では、制度的フィットという概念を用いて、和具地区のイセエビ漁業の管理制度を分析した。6月にはスイス・ダボスでのWorld Biodiversity Forumに参加し、関係性価値に関するセッションを開催し、本研究の一部を発表した。 また、共同研究者(パスカル(スペイン)、アイオラ・ザバラなどと共に、関係性価値に関する文献研究を行っている。本研究では近年関係性価値の理論的な研究がさまざまに進んできており、様まな関係性価値の定義が乱立する状況にある。その一方で、現地調査に基づいた実証研究は少ないだけでなく、理論と実証の乖離が見られることが明らかになった。また、昨年は、Collaborative Authorとして参加している「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)」の価値評価の報告書の最終稿が10月に発表された。 これらの成果を踏まえ、論文に発表する予定にしていたが、2022年の11月に申請者に甲状腺がんが見つかり、治療に専念したため、後半は研究を継続することができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナによって現地調査ができなかったこと、また昨年は申請者自身に病気が見つかり、治療に専念したため。
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今後の研究の推進方策 |
ガンの治療が6月まで続くが、7月以降は、海外の学会などに参加した後、論文投稿を行う予定にしている。
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