研究課題/領域番号 |
19K20516
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河野 正 東京大学, 附属図書館, 助教 (40709002)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 農業集団化 / 中国共産党 / 農村 / 社会主義 / 人民公社 / 農業生産合作社 / 基層社会 / 農村調査 / 中華人民共和国 / フィールドワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中華人民共和国時期の社会変容を明らかにするという大きな枠組みのなかで、人民公社初期の農村にスポットを当て、その時期の社会変容について考察するものである。この時期には社会の組織化や国家からの管理の強化が進んだが、この時期の社会変容の実態は、これまで十分明らかにはされていない。そこで本研究では、これまで十分利用されてこなかった史料やフィールドワークを通じて、当該時期の社会変容の実態を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は新型コロナウイルスをめぐる状況が比較的改善したことを受け、カリフォルニア大学ロサンゼルス校東アジア図書館へ出張を行い、関連史料の収集を行った。 具体的にはこれまでから引き続き『中共重要歴史文献資料彙編』の収集を行い、今年度は特に第30輯「稀見統計資料専輯」を重点的に収集した。また、国内外の最新の研究成果についても収集を進めた。 本史料については公益財団法人東洋文庫による東洋文庫アカデミア「現代中国の海外流出資料とその活用―『中共重要歴史文献資料匯編』の可能性―」にて「「匯編」と統計資料―統計から見る中華人民共和国初期の社会―」報告を行い、関連分野の研究者らに向けて史料の詳細を意義を示した。 その他の研究成果の発表として、今年度は口頭発表を中心的に行った。日本・欧州の農村をフィールドとする研究者との共同研究として2022 年度政治経済学・経済史学会春季学術大会 春季総合研究会「「結合関係」の比較社会史」を立ち上げ、自身は「中華人民共和国初期、華北村落に見る人的結合の複層性 ―対策としてのむすびつき―」と題した報告を行った。本学会の成果として、現在論文集の出版を準備中である。 ワークショップ「毛沢東時代の暴力とイデオロギー」では「農業集団化時期、李翼事件をめぐる一考察」報告を行った。本報告は農業集団化の減速をめぐる、基層レベルので「事件」について考察を行うものであり、ミクロな事件を通じて当該時期の中国における国家と社会の関係の再考を目指すものである。 国家と社会との関係については、東京大学ヒューマニティーズセンター第85回オープンセミナーにて「「噂」から見る中国社会―中華人民共和国初期農村社会における「謡言」―」報告を行い、当該時期の「噂」を通じて再考を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は複数の研究業績を発表することができ、発信面では十分な成果があった。しかし本年度は数年ぶりに海外調査を行うことができたものの、新型コロナウイルス流行により全体として調査が滞ってる。そのため全体的な進捗状況としては当初の予定よりやや遅れた状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように新型コロナウイルス流行によりこれまで十分な海外調査を行うことができなかった。そのため研究期間を1年間延長した上で改めて海外調査を行い、研究を進める予定である。発信面としては現在、本研究課題の成果として単著の出版を準備中であり、これは延長した研究期間内に刊行される見込みである。これと併せて口頭発表・学術論文などの形で関連する研究成果の発信を行う予定である。
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