研究課題/領域番号 |
19K20523
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京外国語大学 (2020-2022) 千葉大学 (2019) |
研究代表者 |
小田 なら 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (70782655)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 伝統医療 / ベトナム共和国 / 南ベトナム / 仏教 / 南薬 / 宗教団体 / ベトナム南部 / ベトナム / 薬草治療 / 伝統医学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ベトナム南北分断期(1954-75)の南ベトナムで伝統医療による治療を積極的におこなってきた集団を対象とし、医療実践とそれを支えるネットワークがいかなる展開を経て現在まで継承されてきたのかを解明する。具体的には、(1)かれらが用いていた薬材の入手先、利用方法と人材の養成方法(2)新たに導入された政策(南北統一直後およびドイモイ開始後)による医療活動への影響と、かれらの対応を明らかにする。伝統医療を一つの手がかりとして、ベトナム南部の具体的な人々の経験をベトナム近現代史に位置づけることで、ベトナム独自の伝統なるものの変容のみならず、その多様性を描くことを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、ベトナム南部において伝統医療による治療をおこなってきた宗教集団を対象とし、医療実践とそれを支えるネットワークがいかなる展開を経て変容してきたのかを解明することであった。しかし、新型コロナウイルス感染症のため現地調査は予備調査にとどまったため、文献調査が主となった。その結果『<伝統医学>が創られるとき―ベトナム医療政策史』(京都大学学術出版会、2022)などで指摘したように、南ベトナムおよび統一後の南部ベトナムの医療には政策と実態のずれがあることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、伝統医療を一つの手がかりとして、ベトナム、ことに南ベトナム時代の具体的な人々の経験をベトナム近現代史に位置づけることで、ベトナム独自の伝統の変容のみならず、その多様性を描くものである。この作業は、南北ベトナムを通じた同国の歴史叙述の空隙を埋めるためのものとして意義をもち、ベトナム国内で見過ごされてきたベトナム医療の全体像を提示する基礎的な資料となる。
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