研究課題/領域番号 |
19K20535
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
嶋田 晴行 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (50568110)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アフガニスタン / 移民 / 難民 / カナダ / ドイツ / 移民・難民 / 平和構築 / 援助 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は長年の紛争によってアフガニスタンから逃れ、海外へ移動・移住した人々に焦点を当て、それらの人々が置かれた状況をドイツ、カナダといったアフガニスタンからの移住者が比較的多い国を例として相手方の同意を得た上で調査・分析することで、「難民問題」と総称される現代の主要な課題の実情を明らかにし、国際関係の中で翻弄される「移動する人々」への対応について政策的提案も目指す。さらに世界中で多発する紛争後の対応として、様々な主体により実施されてきた「平和構築」支援が、「難民問題」の解決に貢献するのではなく、「難民問題」を送り出し側の国内問題へ帰することで状況を悪化させている可能性があることも明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究ではドイツ、カナダという2002年以降の主要なアフガニスタン支援国であり、かつアフガニスタン人のみならず多くの「難民」・移民が目指すとされる両国を対象に、そこに居住するアフガニスタン人へ聞き取り調査を行うことで母国を逃れたアフガニスタン人の実態と国内の対応状況が明らかにされた。時として移民の受け入れ国として理想化される両国であるが、日常生活(言語、運転、子どもの教育など)そして就労といった面でアフガニスタン人たちは困難に直面しつつ、しかし安全・安心に暮らせることが最大の価値となっている。それゆえにアフガニスタンの政治・社会的安定こそ根本的に求められる点であることが再確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの移民・「難民」が目指すドイツあるいはカナダといった国も、そこは理想郷ではなく日常生活のささいな面、そして就業などの面で困難があることが本研究で明らかにされた。同時に安心・安全に暮らせることにこそ、アフガニスタンから出国した人々が価値を見出していることも明らかになった。2021年8月のタリバーン政権復帰後のアフガニスタン、あるいはミャンマー、ウクライナといった紛争を経験している国々から多くの人々が逃れており、そのような状況が今後も続くと思われる現代の世界の中で、今後、世界および日本は移民・「難民」とどのように向き合っていくのかという点で本研究の成果は活かされると考える。
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