研究課題/領域番号 |
19K20536
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
井上 陽介 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (80722016)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 国際保健学 / ベトナム / 慢性疾患 / 経済発展 / 都市化 / 炎症 / 非感染性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
発展途上国における急速な経済発展・都市化は生活環境・ライフスタイルの変化を引き起こし、最終的に健康に負の影響を及ぼすことがこれまでの研究で示唆されている。 本研究では、急速な経済発展の中にあるベトナムにおいて、慢性疾患リスクを炎症性バイオマーカー(C反応性タンパク質(CRP))を使用して定量化し、その決定要因を特定することをめざす。特に、経済発展に伴う格差の発生や社会関係の変容による影響に着目し、ベトナムの人口集団の持続的健康の達成に貢献する科学的知見を創出する。
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研究成果の概要 |
本研究は、経済発展によるライフスタイルの急速な変化を経験しているベトナム農村部コミュニティにおいて、30~60歳の住民3000名を対象に、慢性疾患のリスクを上昇させる要因が何であるか、C反応性タンパク質(CRP)を使用して明らかにすることを目的としたものである。解析の結果、年齢や肥満の指標(BMIおよび腹囲身長比[WHtR])と慢性的な炎症状態との間に統計学的有意な関連が認められた。社会経済的状況(教育歴や世帯収入)と慢性的な炎症状態との間にはっきりとした関連は認められなかった。ソーシャル・キャピタルについてはソーシャル・キャピタルが多い群で慢性炎症状態がかえって多いという結果になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CRPの生成をつかさどる免疫系の発達が幼少期の生態学的・社会的環境の影響を受けることを考えると、十数年前まで衛生環境の整備が十分でなく、飢饉や戦争もあったベトナムにおいて、CRPの決定要因が先進国におけるそれとは異なる可能性は十分にある。様々な集団でCRPの決定要因を検討することは人類集団の多様性の理解につながる。なお、現在も対象者を追跡し、CVDや死亡といった重篤な健康イベントの発生情報を収集している。今後、ベースライン時点のCRPがそうしたイベントの発生を予測するかどうか評価することを計画している。
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