研究課題/領域番号 |
19K20543
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
張 馨元 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (60635879)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 農産物需給 / 中国経済 / 農業生産 / デジタル経済 / コロナ危機 / 出稼ぎ労働 / 農村開発 / アジア経済論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現地調査による1次データの収集と解析を主たる研究手法とし、量的分析と質的分析を組み合わせながら、中国農村部におけるデジタル経済の展開過程とその影響を検討する。農村部の変化に重心を置くのは、中国では、経済と人口構造の変化に鑑み、農業・農村部門のデジタル技術に対する需要度が高いと判断したからである。 本研究はデジタル技術の地域経済に対する影響を系統的に考察・評価するための第一歩として、中国の農村のみならず、日本の過疎地域や途上国でのデジタル・ボーナスの実現に向け、有益な知見を提供し、新たなアジア経済論の理論形成に貢献できる。
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研究実績の概要 |
2022年度の研究活動は1)穀物を中心とした農産物の需給状況、2)デジタル経済が進む中での食品消費行動、3)農産物の生産と流通におけるデジタル技術の普及と応用、の3つを中心に行った。中国の調査業者を通じて行った穀物と植物油の消費に関するアンケート調査も行った。年度中の研究実績として、10月に大豆の需給分析に関する成果を学会で報告し、年度末の3月に上海市の消費者行動に関する学術論文(共著)を刊行した。 コロナ感染症が拡大した2020年以来、都市部における雇用機会が減り、2020-2022年の間、中国の農村出稼ぎ労働者の数は2.9億人前後で推移している。農民工の平均年齢は約42歳であることを考えると、農村部の出稼ぎ労働者が都市部のデジタル集約的産業で就労機会を得ることが以前より困難になったと推測される。 また、2020年以来、中国政府は大豆の増産に力を入れるよう、農業政策の方針を調整した。その背景には、2000年以降国内の植物油の需要拡大を反映し、中国の大豆輸入量は一貫して拡大してきたことが関係している。 2022年度に行った各小課題の研究の成果は、現在学術論文としてまとめており、2023年度に投稿、刊行する準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度では、コロナ感染症の拡大と中国各地のロックダウンにより、期待していた現地調査の実施が不可能であった。幸い2023年1月以降、中国各地の状況が正常に戻りつつあり、アンケート調査の実施が可能になりました。年度末までにオンライン調査によるデータ収集が部分的にできたものの、データ分析と論文作成の進捗が計画より遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度では、昨年度の経験を生かしてオンラインアンケート調査を再度実施し、資料分析及びデータ分析を完成させ、本研究によるさらなる成果刊行を目指している。
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