研究課題/領域番号 |
19K20544
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西島 薫 京都大学, スーパーグローバルコース人文社会科学系ユニット, 特定助教 (30838793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ダヤック / 先住民 / 王権 / 民主化 / 地方政治 / インドネシア / 地方王権 / 民主化・分権化 / ダヤック人 / カリマンタン |
研究開始時の研究の概要 |
民主化・分権化期のインドネシアでは地方王権の復興が相次いでいる。地方社会で「復活」する王たちは、法的根拠がない点で極めて不分明で捉えにくい存在である。本研究では、現代地方政治のパトロン・クライアント関係と王を中心とした人的ネットワークという2つの異質な人々の関係が摩擦を生み出しつつも併存している状況を明らかにする。また、本研究課題で対象とするのはカリマンタンの在来民であるダヤック人の神聖王である。このダヤック人の王はインドネシア独立から現在まで断絶することなく存続してきた。本研究課題では、神聖王の特性および現代社会における神聖王の生存戦略についても明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究課題の目的は、インドネシア・カリマンタンのダヤック人たちの王権を事例に、王の人格的資質や王と人々の属人的な関係が、地方政治においてどのように機能しているか、そして王権の側から見た民主化・分権化期の地方政治の動態を明らかにすることである。本研究では、1).慣習的権威や王権に関する文献調査、2).2019年度のインドネシア・西カリマンタン州での現地調査、3).インターネットの記事、SNSを用いた調査を実施した。これらの研究活動の成果を、投稿論文2本と学会や研究会での口頭発表5回で発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果の意義としては、1).ダヤック人たちの王権復興において、人々の神器への奉仕と、人々の王への忠誠という異なる性質の紐帯が併存していること、2).「王国」の復興は、ダヤック人たちの先住民としての「主権」の具体的な表現手段であること、3). ダヤック人たちが、王への忠誠を表現することで、「王国」を復興させ先住民としての主権を主張していることを明らかにした点である。本研究課題の成果は、人々の「主権」の具体的な表現手段としての「王国」の復興という観点を提示したことで、インドネシアを含む東南アジア地域の慣習的権威者の復興に関する比較研究に向けて、新たな展望を開くことが出来たことである。
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