研究課題/領域番号 |
19K20548
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
加藤 裕美 福井県立大学, 学術教養センター, 准教授 (10646904)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 文化人類学 / 地域研究 / 東南アジア / 森林開発 / 社会開発 / 少数民族 / 森林資源利用 / 社会変容 / 狩猟採集 / 野生動物 / 外国人労働者 / マレーシア / インドネシア / マイノリティ / 野生動物食 / 民族間関係 / 日本 / 狩猟採集民 / 社会問題 / アルコール依存症 / 教育問題 / 就業問題 / 土地問題 / 医療へのアクセス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、マレーシアにおける定住した狩猟採集民が現代的社会問題を克服するための方策を検討することを目的とする。彼らは、20世紀初頭まで、森林産物の狩猟や採集をもとにした生活をしてきたが、現金経済が浸透し、賃金労働や都市での居住が可能となる現在、様々な問題を抱えている。分配が容易なアルコー過剰摂取、学校教育への不適合、遠方の民族集団との婚姻によるアイデンティティの揺らぎである。本研究では、彼らが抱える問題を、彼ら自身がどのように認識し、どのような解決を望んでいるのかを実証的に研究していく。
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研究実績の概要 |
2023年8月~9月にかけて、マレーシア、サラワク州のバラム川流域、タタウ川流域、クムナ川流域、およびブラガにおいて現地調査を実施した。現地調査では、コロナ禍を経た先住民社会の生業変化及び、ヒゲイノシシやラタンをはじめとする森林資源利用についてアンケート調査とインタビュー調査を実施した。2023年8月にはバラム川のアカ川流域に居住する、クラビット人、及びプナン人の複数村を訪れヒゲイノシシやシカなど野生動物の狩猟、ラタンなどの森林資源の利用、稲作、商品作物栽培の状況についてインタビュー調査を実施した。2023年9月にはタタウ川およびクムナ川流域のイバン人、ブカタン人、カヤン人、プナン人などの複数の先住民村落を訪れ、アブラヤシ栽培の拡大や稲作の減少についてインタビュー調査を実施した。また、アフリカ豚熱の影響による狩猟活動の変化についても調査を実施した。これらの地域、およびブラガで実施した調査の結果は、国際誌に投稿するべく、現在論文を執筆中である。 生業調査のほか、サラワク先住民社会におけるインドネシア人の婚入に関する調査結果を、論集の1章として出版した。また、第57回文化人類学会(県立広島大学開催)において、口頭発表をした。また、ボルネオ島におけるイノシシ猟およびアフリカ豚熱の影響と、福井県における狩猟の比較を短報に執筆した。また、ブラガの先住民であるシハン人の移動や生業に関する研究成果を複数の研究会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響により、2020年から2022年に計画していた、マレーシアでの現地調査が実施できず、その分計画が後ろ倒しになったため、進捗状況はやや遅れている。しかしながら、アフリカ豚熱の影響やコロナ禍により、当初予定していなかった調査データを取得することができた。今後はこれらのデータの分析に力を入れていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
2023年8月~9月の調査で得たデータの分析を進め、国際誌への論文投稿を目指す。また、2025年3月にマレーシアでの補足調査を計画している。
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