研究課題/領域番号 |
19K20551
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
小林 かおり 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (00782781)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ニカラグア / 国際移動 / 貧困削減 / ポストコンフリクト地域 / 宗教観 / 移民 / 地域社会 / ラテンアメリカ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ポストコンフリクト地域の宗教観を手がかりに、ニカラグア移民の国内外の三つの移動ルートの相関関係を明らかにし、貧困削減のメカニズムを解明する。ニカラグアでの調査対象地は、旧ゲリラ戦闘地域で、その住民の約7割がプロテスタントである。この地域の住民は、先行研究で言われてきたコスタ・リカや米国への国際移動ではなく、ニカラグア国内の地域間移動を選ぶ者が多い。文献研究はもとより、ニカラグア、コスタ・リカ、米国でのフィールド調査を通して、国際移動と地域間移動の関係性を明らかにし、貧困削減と国際移動のメカニズムの解明へと繋げる。
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研究成果の概要 |
ニカラグアのポストコンフリクト地域の貧困削減と国際移動の相関関係は、複数の要因から分析できるが、調査対象地であるプロテスタント系住民が多いポストコンフリクト地域における2014年までの調査では、国内移動にとどまる住民の割合が他の地域に比べ高かった。しかし、2018年を境に貧困削減を目的とした移動は、国内移動から国際移動へ転じる住民の割合が急増したことが現地調査の結果から分かった。 米国およびコスタ・リカにおける、ポストコンフリクト地域から逃れてきたラテン移民コミュニティの形成過程の調査では、コミュニティ形成に宗教観が大きく影響していることが現地調査の結果から分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
貧困削減を目的とした移動の中でも、国際移動ではなく国内移動を選択する住民の割合が高かったニカラグアのポストコンフリクト地域の住民が、国際移動を選択することへ転換していったプロセスや要因を解明することは、今後、ポストコンフリクト地域への国際協力や国際移動における対応策を考える上で学術的・社会的意味を持つ。 また、米国およびコスタ・リカで調査したニカラグアをはじめとするラテン移民の移住先であるコミュニティ形成過程において、宗教観を一つの調査指標にすることの有効性を確認したことは、今後、外国人居住者が増える日本のコミュニティ分析においても重要な意味を持つ。
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