研究課題/領域番号 |
19K20554
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 香川大学 (2022) 早稲田大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
鶴園 裕基 香川大学, 法学部, 准教授 (10804180)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 人の移動 / 難民問題 / 出入国管理 / 戸籍 / 国籍 / 在外国民 / 国際関係 / 冷戦 / 華僑 / 難民 / 人の移動管理 / 移民 / 国際社会 / 台湾 / 華僑華人 / 東アジア |
研究開始時の研究の概要 |
今日の台湾社会が移民社会であるという認識は、専門家のみならず一般レベルでも浸透しつつある。にもかかわらず、そのような多元的な社会を擁する現代台湾が〈移民国家〉として捉えられ、分析されることはほとんどなかった。そこで本研究は「国家主体型」移民研究のアプローチに基づき、戦後の台湾国家が誰を、どのように「国民」として社会に包摂し、また誰を「外国人」として社会の外部に位置づけて国家を形成してきたのかを明らかにする。本研究はグローバル化のプロセスに呼応して国家と国民の関係を不断に再構成するという現代台湾の重要な特徴を浮き彫りにする意義がある。
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研究成果の概要 |
本研究は、戦後台湾が直面した移民・難民問題に対する戦後中華民国政府の対応を、制度と政策の面から検討することを通じ、戦後台湾が「移民国家」として形成されていく歴史的過程の一端を明らかにした。制度面では、戦後の中華民国戸籍法は、原則的に領域内住民にのみ適用され、領域外の国民を制度的に排除していたことを明らかにした。以上のような制度を前提として、中華民国政府は外部から台湾への「国民」の入境を制限する政策をとっていたことを論じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究を通じて明らかにされた知見は、現代台湾社会が備える多様性が、歴史的な戒厳体制と不可分な関係にあることを示唆する。すなわち、国家建設の観点に基づく「誰を受け入れ、誰を受け入れないか」という政策的選択の積み重ねが、現代台湾の「移民国家」としての像を形作ることに寄与したと考えられる。本研究の知見は現代台湾の政治社会を理解する重要な手がかりであるのみならず、コロナ禍というグローバルな人の移動の危機に対して、台湾政府が行い得た政策の歴史的淵源を照らし出す意義がある。
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