研究課題/領域番号 |
19K20557
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2023) 龍谷大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
坂梨 健太 京都大学, 農学研究科, 准教授 (90749128)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | カカオ生産 / カメルーン / インドネシア / 労働問題 / 都市と農村 / 多生業 / 観光 / 熱帯地域 / 非木材林産物 / 交通 / 資本主義 / 国家 / 移民 / チョコレート / フードシステム / 熱帯林 / フェアトレード / 流通 / 小規模農民 / 産地間比較 / 労働力 / 人の移動 / チョコレート消費 / カカオ加工品 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、世界トップのカカオ生産を誇るコートジボワールをはじめとしたアフリカのカカオ生産国と、生産量が急進しているインドネシアを主としたアジアのカカオ生産国を対象に、人の移動(労働力の確保・維持の問題)、生産国の構造変化(チョコレートの消費・加工・流通の変化)に注目して、それらがカカオの生産にどのような影響を与えているのかを明らかにする。また、アジアのカカオ生産国が先進地のアフリカと連携できる仕組みを考えたい。
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研究実績の概要 |
カメルーン南部およびインドネシアのジャワ中部にてカカオ生産地の変容について調査をおこなった。カメルーンではカカオの収入が子どもたちの学費に充てられてきたが、その子どもたちの多くは町で仕事をしており、村に残った女性や近隣の狩猟採集民がカカオ生産を担っている。子どもたちによる送金は畑の拡大や労働力確保に使われるだけでなく、村の商店の設置に寄与している。これまでカカオ収穫期のときに商品が村に流れて、売買がなされてきたが、近年は商店が複数できたことで恒常的に商品にアクセスできるようになっている。一部は商売活動に力を入れるようになり脱農業化の動きがみられる。インドネシアでは、若者が都市に流出し、村内で労働力不足が問題となっており、この点はカメルーンでも同じであるが、インドネシアの都市住民を対象にした観光に力を入れながら、生き残りをはかっている。たとえば農村で栽培されたカカオを用いたチョコレートの販売、カカオと米粉を混ぜたお菓子やバナナチップの加工体験ができる。しかし、近年の気候変動の影響で、収穫期がなくなりつつあり(少量を通年収穫)、カカオではなく、アブラヤシなど他の作物に移行する動きもみられる。生産地域の変容の理由として気候変動もあげられるようになっていることが明らかとなった。また、フランスの国立海外文書館でカメルーンにおける交通にかんする資料を収集した。植民地時代における交通網の整備は換金作物の拡大にとって欠かせないものであり、中身を詳細に分析していく。成果報告として、アフリカ学会の「アフリカの農と農村再考」フォーラムにて、カカオ生産地域における多生業について報告をおこない、アフリカ研究で原稿化した。カカオ生産から別の作物に力点を変える過程においても、人々の多生業を重要なう役割を果たす。今後、多生業を議論を広げて書籍化を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アフリカ、アジアそれぞれのカカオ生産地域で調査を行い、相違を見出すことができたが、前年の遅れの影響から、収集した資料を整理に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
文献、論文校閲などを通して予算を執行する。また、収集した資料を整理し、両地域の比較をしながら論文執筆をおこなう。
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