研究課題/領域番号 |
19K20575
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 立命館大学 (2023) 阪南大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
大島 知典 立命館大学, 経営管理研究科, 准教授 (20801913)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 顧客満足 / 顧客価値 / 高付加価値化 / 旅館 / 生産性 / IT / テーマ / ストーリー / ホスピタリティマネジメント / TQM / 付加価値 / 組織文化 / サービスデザイン / 旅館経営 / ファミリービジネス / サービスマネジメント / 新型コロナウィスル感染症 / 人材管理 / 観光産業 / サービス / マネジメント / マーケティング |
研究開始時の研究の概要 |
日本の伝統的な宿泊施設である旅館は、長年にわたり経営不振さらには人手不足に悩まされてきた。この問題を解決しない限り、宿泊産業の持続的な発展、ひいては観光産業の振興に重大な支障をきたすことは明白である。 この課題に対して、近年、いくつかの宿泊関連企業では従来の経験重視、慣行重視の人事制度を全面的に見直すことによって、労働生産性を高めると同時に長期的な視野に立った事業展開を図るようになってきている。 本研究の目的は、旅館の体質改善に向けたマネジメント手法を明らかにすることで、宿泊産業の喫緊の課題解決と中長期的な展望を切り開く足掛かりとなることを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、サービスマネジメントの視点から、旅館の体質改善に向けたマネジメント手法を明らかにすることである。2023年度の研究実績としては以下の2点を示す。 (1)報告者は2021年からゲストハウスを運営しながら宿泊施設の体質改善の可能性を模索してきた。宿泊業界の人手不足が深刻化する中で、一棟貸しの宿泊施設においていかに効率的な運営を行いつつも、高付加価値なサービスを実現することができるかを検証した。本実績については日本観光経営学会の年次大会で報告し、研究の改善に向けてのさまざまな示唆を得ることができた。その後、顧客満足を実現する上で、顧客とのコミュニケーションを通じて事前期待を管理することに焦点を当て、それが最終的な顧客満足や肯定的な口コミの投稿にどのような影響をもたらしているのかを調査した。 (2)宿泊サービスの高付加価値化について旅館を対象に調査を実施した。調査対象の旅館は、トリップアドバイザーのトラベラーズチョイスの上位に選ばれ、半年以上前からインバウンドで客室が埋まる予約の取れない旅館である。インタビューを通じて、開業当初の宿泊客は大半が日本人で、客室数が少な割に単価も安く厳しい経営状況であったが、2009年以降はエリアで増加の兆しにあったインバウンドをターゲットに定め、宿泊客同士のコミュニケーションを活発化させることで顧客価値を高めたことが明らかになった。本実績については、論文として投稿を終えており、掲載に向けた審査を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
宿泊施設の体質改善の柱である効率化と高付加価値化のいずれについても、調査を通じてそれらの理論化に向けた貴重な示唆を得ることができた。ただし、コロナ禍による移動規制やその後の全国旅行支援による宿泊業界の繁忙でもともと進捗状況に遅れが生じていたが、今年度は自身が移籍したことによる授業準備や新専攻の設置に向けた準備のために研究時間を十分に確保することができず、研究成果としてまとめられていない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度を最終年度とし、これまでの調査結果を研究成果としてまとめ、論文刊行および学会報告をする予定である。
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