研究課題/領域番号 |
19K20581
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
土野 瑞穂 明星大学, 教育学部, 准教授 (10739048)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 安全保障 / フェミニズム / ケアの倫理 / ジェンダー / 性暴力 / 戦争 / 紛争 / 慰安婦 / ケア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の全体構想は、武力紛争下で性暴力を受けた女性たちが支援者とともに実践してきた尊厳回復のための営みの実態調査を通じて、フェミニズム理論の一つである「ケアの倫理」から考える新たな安全保障研究を構築することである。具体的には、以下の三つの研究を行う。
①既存の安全保障に対するフェミニストたちからの批判に関する文献研究 ②武力紛争下における女性への性暴力の事例として、元「慰安婦」女性たちが支援者とともに実践してきた尊厳回復のための営みに関する実証研究 ③ケアの倫理から考える新たな安全保障研究構築のための理論研究
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研究成果の概要 |
本研究により、30年以上にも渡って支援者や活動家、研究者らが元「慰安婦」女性たちに実践してきたきめ細かなケアの蓄積は、戦争を未然に防ぐことに主眼を置いて来た既存の安全保障研究が見過ごしてきた、暴力を「受けた」人々に対する長期的な応答・ケアの必要性を提示してきたことが明らかとなった。そして被害者を取り巻くローカルなジェンダーやセクシュアリティ、人種、民族、当該国家間の政治・経済をめぐる権力関係と、そしてこの問題に向き合う者と被害者との間にある関係性が、被害者たちの尊厳回復のための営みの具体的あり様を決定することもまた明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義は、これまであまり関心を集めてこなかった被害者・支援者による尊厳回復のためのケア実践の調査を通じて、「尊厳の回復」とは何を意味するのか、その一端を明らかにしたことである。このことは、今日の紛争下で性暴力の被害に直面している人々に対する支援を考えるうえで実践的に貢献しうる知である。 学術的意義については、被害者と支援者たちによる安全・安寧な生活を取り戻そうとする長年の試みから、「誰の/何のための安全保障か」という問いを見出し、ケアの倫理から考える新たな安全保障研究を構築したことである。
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