研究課題/領域番号 |
19K20582
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 大阪大学 (2020-2022) 首都大学東京 (2019) |
研究代表者 |
中嶋 泉 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (30737094)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 女性美術家 / フェミニズム / アート / ジェンダー / 日本美術 / 戦後美術 / 近代美術 / 現代美術 / フェミニズム美術 / 日本現代美術 / エロス / 女性アーティスト / 岸本清子 / アーカイヴ / セクシュアリティ / 女性画家 / 占領期 / 美術 / 戦後 / 日本 |
研究開始時の研究の概要 |
「女流画家」は、終戦後から1960年代半ばにかけ、女性解放や民主化を象徴するものとして、美術専門誌から大衆誌、米国政府の機関紙まで多様な媒体で論じられた。その議論の幅広さと注目の度合いにおいて、「女流画家」が、新たな存在である女性の「文化生産者」として、戦後の女性運動、とくに占領期とポスト占領期における女性政策に関するイデオロギーの多層性と変化を複雑に反映する政治的存在であったと考えられる。本研究では、終戦直後から1960年代半ばの言説を調査対象に、美術史のみならず女性史、戦後占領史の資料を横断的に検証することで、「女流画家」が戦後のイデオロギー的変化のなかで担った役割の内実を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は当初、第二次大戦後の女性の創作活動にかかわる、性別役割規範の変化の経緯を、「女流画家」というキータームを追うことによって明らかにしようというものだった。しかしながら新型肺炎の流行により、この研究に不可欠だった米国での調査が難しくなったため方法を変更し、1960年代から90年代にいたる女性美術家の資料の収集と分析を国内で行い、日本美術史に対するオルタナティヴな美術の歴史記述を目指した。4年間の研究のなかで、書籍や論文の出版、研究発表、研究プロジェクトの発足、国外の女性アーティスト研究組織との連携などを行い、女性美術家研究に関する重要な資料体や研究ネットワークを構築することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、第一に、第二次世界大戦後の抽象絵画の流行における、女性画家の活動について調査し、彼女たちの仕事が歴史的に無視されてきたことを美術批評および美術史的言説のフェミニズム的分析から解き明かした。第2に、60年代から90年代という、全共闘からとウーマン・リブ、フェミニズムへと政治運動が展開していく時代に、女性美術家の女性表象、とりわけ性の表現が大きく変化したことを明らかにした。これらの研究は、美術家のみならず戦後の日本文化の一側面を明らかにする文化ジェンダー研究であり、今後も隣接領域の研究などに役立つのではないかと考えている。
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