研究課題/領域番号 |
19K20583
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
濱 貴子 富山県立大学, 工学部, 准教授 (10711616)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 奥むめお / 婦人運動 / 消費者運動 / 組織マネジメント / 社会的ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、戦前期より長く生活に根ざした婦人運動・消費者運動を展開し、戦後参議院議員を務めた奥むめおに注目し、彼女を中心とした運動の成長と持続を支えた組織マネジメント戦略と社会的ネットワーク形成を機関誌(紙)や「奥むめおコレクション(国立女性教育会館所蔵)」等の資料より明らかにする。近年「女性の活躍促進」が政策的に進められる一方で、日本の政策・方針決定過程における女性指導者の割合は依然として低い。そのなかで、女性の社会的指導者の育成は重要な課題である。研究を通じて現代の「男女共同参画」の課題と対策を論じるうえで不可欠な先行事例を見出し、現代日本女性のエンパワーメントに資する研究を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、奥むめおを中心とした主婦連合会による婦人運動・消費者運動の成長と持続を支えた組織マネジメント戦略と社会的ネットワーク形成を明らかにした。奥は、部会活動による「賢い主婦」の育成を基本とし、組織的にも資金的にもあくまで「主婦」を運動の主人公とすることよって「主婦が声を上げれば生活はよくなる」ことをメンバーに実感させ、行為主体性を育むことで運動を成長・持続させていった。時代の変化に伴い運動の内容も変質・高度化・複雑化し、他団体との連携も多様化したが、「いのちとくらしを守り、人間を大切にする」という奥が一貫して掲げ続けた理念は、他団体との連携を可能にし、運動の深化・拡大を促進させていった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「女性の活躍促進」が政策的に進められる一方で、政策・方針決定過程における女性指導者の割合は依然として低い日本社会において、女性の社会的指導者の育成は重要な課題である。本研究では、戦後日本において女性指導者による社会運動が効果的に機能し彼女らの声が政策に反映されていったプロセスならびに女性指導者が育ち社会運動は活発化していったものの彼女らの声が届きにくくなっていくプロセス両方を記述しており、現代の「男女共同参画」の課題と対策を論じるうえで不可欠な先行事例として位置付けることができる。日本の現状を再考するための新たな視点を提供し、ジェンダー平等社会の実現に向けた歩みを進めることに資する成果である。
|