研究課題/領域番号 |
19K20586
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 学校法人文京学院 文京学院大学 |
研究代表者 |
甲斐田 きよみ 学校法人文京学院 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (20783608)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ジェンダー / 世帯内意思決定 / 女性の経済力 / 農村 / アフリカ / ジェンダーと開発 / 女性のエンパワーメント / カメルーン / アフリカ農村経済 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、女性が収入を得ることが世帯内の意思決定プロセスにどのような影響を与えるか、カメルーンの農村を事例に検証する。発展途上国の多くの地域で女性の社会的経済的地位は未だ低く、女性の収入創出プロジェクトが実施されている。一定の成果はあるが女性の収入創出・管理が世帯内の意思決定力向上に繋がらない例もある。 性別役割分業やジェンダー規範への認識と行動を、個別インタビューにより質的データを収集し、世帯内意思決定プロセスやジェンダー役割・規範の変容を可視化する。そして女性が望むような状況を得るために、女性を変革の主体とした女性のエンパワーメント支援を適切に行うための外部からの介入のあり方を提言する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、女性が収入を得ることが世帯内の意思決定プロセスにどのような影響を与えるか、アフリカの農村を事例に検証することである。研究開始から令和4年度までカメルーン中央州を調査対象としてきた。令和2年度以降、新型コロナ感染症のため渡航できず、令和4年度は現地の協力団体に調査を依頼した。令和5年度の前半には現地協力団体から調査データを取得し、夏に現地調査のため渡航する予定であったが、現地協力団体の調査データが十分ではなく、また現地の治安状況に不安が生じたためカメルーンでの調査を断念することとした。 代替地として、JICAによる農業協力プロジェクトと長い関わりのある農業省の普及員を紹介してもらい、令和6年2月にザンビアに渡航し、ルサカ州の農村で現地調査を実施した。調査はザンビア農業省の農業普及員を介して実施し、主に首都のルサカ近郊から移住してきた退職者が多いルコロンゴ地区で農業を生業とする女性9人、貧困層の多いチクビ地区で農業を生業とする女性10人に対して個別インタビューを実施した。また、携帯電話を使って天候の情報や害虫や種や資材、新技術の普及情報を農家に提供する団体を通して、ルサカ州チョングウェ地区の3か所で、10人の男女農家に対してグループインタビューを行った。いずれも、夫妻でどのように農業や他の経済活動に携わり、収入をどのように管理し、どのような用途があるか、何をリスクと認識しているか等の聞き取りを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査地を変更したことで、治安の不安もなく、充実した調査を実施することができた。最初の3年間をカメルーンで、残りの2年間でザンビアを調査地とし、本研究の目的であるアフリカ農村において女性が収入を得ることが、世帯内の意思決定プロセスにどう影響するのか検証できる質的データを得ることができる。また、カメルーンとザンビアの2地域で調査したことで、世帯内の収入管理の方法が異なる2地域を見ることができ、より広い視点で研究課題に取り組めている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最後の1年間となる。調査時間を確保できれば再度ザンビアで調査を実施する予定である。また令和6年2月に実施した調査結果をもとに、学会発表、論文へつなげる。令和6年2月に実施したザンビアでの調査から、現地調査が実施しやすいことが分かったため、女性の経済力向上と世帯内意思決定への女性の参加について、農家がどのようにリスクを認識し、それに対応するのか、ジェンダー関係がどのように影響するかについて、今後の研究を進める。
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