研究課題/領域番号 |
19K20587
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
堀川 聡司 目白大学, 心理学部, 客員研究員 (60755940)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | トランスジェンダー / 親子関係 / 中年期危機 / 精神分析 / ジェンダー論 / トランスジェンダ― |
研究開始時の研究の概要 |
トランスジェンダー(割り当てられた性別と自分がそうだと思う性が一致しない人)の子を持つ親は、カミングアウト以降、様々な出来事に大きな動揺・葛藤を経験する。それらは、自身の持つセクシュアリティ観の解体と再構築によって、あるいはそれらの葛藤から距離を取ることによって解消されてゆく。 本研究は、トランスジェンダーの子を持つ親への心理的援助の望ましい形を模索し、臨床実践に還元することを目論んだ2年計画の研究である。そのために調査研究、事例研究を行い、いかなる心理的な負荷があったか、その時どのようなニーズがあったかを明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
トランスジェンダーの子を持つ親へ行ったインタビュー調査から、FTMの子を持つ親は、カミングアウト以前にも子育てをめぐって様々な衝突や葛藤を経験しており、それがその後の心理的変遷の土台となっていることが示唆された。子のジェンダーに直面する以前の子とのやりとりや、家族サポートが充実したものであればあるほど、自身のセクシュアリティ観の再構築、ひいてはジェンダーに悩む子の心理的受容に前向きになれるという傾向が示唆される。 この考察は、老年期の性を単なる衰退や消失ではなく、乳幼児期に端を発するセクシュアリティ体験の一貫として捉える精神分析学的な視座を援用している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今のLGBTQへの社会的認知度は飛躍的に向上しているとはいえ、当事者の心理的な苦痛、親の対応の難しさは変わらずあるのが現状である。本研究より、FTMの子をもつ親とMTFの子をもつ親とでは質的に大きな差異があり、その心理的変遷も親個人の幼年期より培われたセクシュアリティ観が大きく影響していることが示唆された。 これらの研究結果は、当事者や親の心理面を支援する援助職の臨床上のヒントとなるだろう。
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