研究課題/領域番号 |
19K20595
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
宮崎 正範 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (30634357)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 量子ビーム / μSR / 準位交差共鳴 / 酸素磁性 / 複合アニオン / ミュオンスピン共鳴 / 磁気共鳴 / 酸素スピン / 構造解析 / 磁性 / ペロブスカイト型酸化物 / 物性実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、従来法では困難である複合アニオン配列決定を量子ビーム複合解析による酸素スピン観測法を確立することで可能にすることを目指している。複数種類の負イオンを持つ複合アニオン化合物は、その配列の仕方により種々の機能物性を発現する可能性を秘めている。しかし、その機能を決める配列を特定することは、従来のX線・中性子回折実験では極めて困難である。そこで、遷移金属酸化物の単結晶を用いて、酸素スピンの微小な磁性を高感度で観測する中性子・μSR複合解析法を確立し、実験的ミュオンサイト決定法と組み合わせることで、それぞれの負イオン情報を区別、ラベル付けし、アニオン配列決定に適応できる新たな解析法を開発する。
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研究成果の概要 |
量子ビームを用いた複合アニオン配列決定を可能にする為の新たな実験的手法としてμSRおよびミュオン準位交差共鳴法の研究を行った。La2CuO4においては、Cuの核四重極モーメントとの共鳴を確認するまでには至らなかったが、複合アニオン化合物ATaO2N(A=Sr, Ba)においては、Oイオン及びNイオン付近に止まったミュオンサイトからと思われる14Nの核四重極モーメントとの共鳴信号を観測することができた。また、K2NiF4型Ti酸化物の電子ドープ希薄領域における電気抵抗率及び磁化率測定を系統的に行い、高ドープ域でスピン一重項の可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
複合アニオン化合物は、cis/transという新たな自由度を結晶格子上に与え、強誘電性をはじめとした種々の機能性を持った新規の機能性材料を生み出す可能性を秘めている。本研究では、複合アニオン化合物の典型物質の1つを用いて、ミュオンサイトを決定するためにミュオン準位交差共鳴実験を行い、Oイオン及びNイオン付近に止まったミュオンサイトからと思われる共鳴信号を観測することができた。このことは、従来法では難しかったアニオン配列を決める新たな実験手法の開発に繋がり、複合アニオン化合物の構造評価の利用への可能性を示すものである。
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