研究課題/領域番号 |
19K20596
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
河野 直樹 秋田大学, 理工学研究科, 講師 (60800886)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | シンチレータ / ドシメータ / 量子井戸 / 励起子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、有機無機ペロブスカイト型化合物を用いたシンチレータの開発を行う。シンチレータとは高エネルギー放射線を低エネルギー光子に変換する材料であり、医療や高エネルギー物理学等で使用されている。本研究では、有機無機ペロブスカイト型化合物の構造・組成制御を通じて、当該化合物の結晶構造の歪みを誘発することで、上記用途に向けた革新的シンチレータを開発する。本研究では貧溶媒拡散法により単結晶を育成し、得られた単結晶の光物性・シンチレーション特性の評価を行う。得られた結果のフィードバックを行うことで、性能の改善に努める。
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研究成果の概要 |
量子井戸構造を有する有機無機ペロブスカイト型化合物は、量子サイズ効果由来の独特な発光特性により、放射線励起時に高強度で高速な発光を示すことが知られている。当該発光を利用することで、医療機器や放射光施設における分光測定等に使用可能なシンチレータを開発することが期待される。本研究では優れた発光特性を示す(C6H5C2H4NH3)2PbBr4の特性向上に向けて、異種金属元素の添加を行った。その結果、CdやZn、Sn、Niなどの異種金属元素を添加することによって、数ナノ秒の短い寿命を示しながら、発光量が14000からおよそ20000 photons/MeVまで向上することを突き止めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シンチレータとは高エネルギーの放射線を低エネルギーの光に変換する蛍光体材料であり、医療機器やセキュリティ機器、資源探索など様々な用途に利用されている。今回、有機無機ペロブスカイト型化合物の組成制御を通じて、高い発光量及び数ナノ秒の寿命を示す化合物を作製に成功した。この発光特性は、癌診断で利用されるポジトロン断層法装置や放射光施設での分光測定など、高い発光量と短い寿命の光学特性が不可欠な様々な用途への応用が期待される。
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