研究課題/領域番号 |
19K20602
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荻野 純平 大阪大学, レーザー科学研究所, 特任助教(常勤) (90821869)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レーザー航跡場加速 / 数サイクルレーザー / 非線形光学 / 光パラメトリック増幅 / 分光学 / レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
レーザー航跡場加速では、加速される電荷量が高周波加速器に比べ少ないことが課題である。数サイクルレーザーと呼ばれる数fs級の極短パルスレーザーを用いることで、電荷量が増加するという計算結果が報告されているが、数サイクルレーザーの波長帯域は 350nm を超えるような超広帯域であることから、レーザー航跡場加速に利用できるレベルのレーザー装置を実現することは困難である。そこで本研究では、分光学と非線形光学を組み合わせた新しい超広帯域増幅手法を提案する。この手法が実現できれば、大電荷のレーザー航跡場加速の実現に資することだけでなく、さまざまな科学分野に提供可能な高強度、超短パルス光源が実現可能である。
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研究成果の概要 |
レーザー航跡場加速は、加速勾配が高周波加速器と比較して高いことから、その装置サイズを大幅にコンパクト化できるとして期待されている。しかしながら、レーザー航跡場加速は、加速される電荷量が少なく、数fs級のレーザーを用いることで大電荷の加速が可能であること報告されているが、数fs級のレーザーは超広帯域のレーザーであり、レーザー加速に必要なレベルまで増幅する手法が確立されていないのが現状である。本研究では、分光学と非線形光学を組み合わせた新しいレーザー増幅手法として超広帯域周波数領光パラメトリック増幅を提案し、その増幅帯域が同じ結晶を用いても従来増幅手法の2倍以上となることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、超広帯域光である数サイクルレーザーを増幅する手法の提案を行った。数10mJ級の数サイクルレーザーの実現が期待できることから、レーザー航跡場加速の実用化に向けて大きな一歩を得たと考えている。また、このようなレーザーはレーザー航跡場加速に限らず、高密度科学や高次高調波発生、医療、産業応用などの幅広い分野において新領域を開拓するきっかけとなると考えている。さらに、本研究では、本増幅手法のスケールアップに関する要素技術の開発に成功しており、将来的にはテラワットを超え、エクサワットに迫るピーク出力のレーザー装置の実現に資することが可能であると考えている。
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