研究課題/領域番号 |
19K20604
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
井上 伊知郎 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 研究員 (30783401)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | X線自由電子レーザー / 非線形光学 / 放射損傷 / ポンププローブ / 非線形光学現象 / ポンププローブ法 / X線分光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、X線自由電子レーザー施設SACLAを用いて3次の非線形光学効果であるコヒーレントアンチストークスラマン散乱現象をX線領域において観測する。そして、この現象を利用して軽元素の内殻分光を実現することが最終目標である。 そのために研究を、(i) XCARSを観測するための低バックグラウンド分光器の開発 、(ii) XCARS信号の観測、(iii) XCARSを利用した内殻分光の実現、の3つのステップに分けて遂行する。
|
研究成果の概要 |
X線自由電子レーザー(X-ray free-electron laser; XFEL)の2色ダブルパルス発振技術の開発および応用を行った。まず、単色・準単色の2色XFELビームを作り出す新しいレーザー発振技術を開発した。この開発した新技術は、X線領域のASE分光へと応用されている。また、時間間隔を制御したダブルパルスを利用するX線ポンプX線プローブ法を開発し、様々な試料へ応用した。以下の研究成果の項目にあるように「非熱的な融解過程」や「X線照射後の原子移動の遅れ」などの現象を発見した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでX線レーザーの利用研究では、単一の波長を持つ光が用いられてきた。赤外線・可視光・紫外線領域の非線形分光実験でマルチカラーレーザーや白色レーザーが広く用いられていることを鑑みると、X線レーザーの多色化はX線計測技術の応用範囲を大きく拡大し得る。本研究では、2色ダブルパルスXFELの開発および応用技術の開拓を行った。 開発した技術を利用することで、高強度X線が引き起こす「非熱的な融解過程」や「X線照射後の原子移動の遅れ」などの現象が明らかになったが、これらの発見にとどまらず今後様々な新奇現象の発見や新しい計測技術の開発が期待できる。
|