研究課題/領域番号 |
19K20605
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小森 有希子 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 協力研究員 (50726370)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 連続溶液化装置 / 液体シンチレーション検出器 / 超重元素 / ボーリウム / 溶媒抽出 / テクネチウム / レニウム |
研究開始時の研究の概要 |
理研重イオンリニアックと気体充填型反跳核分離装置(GARIS)を用いて合成、質量分離したBhの放射性同位体をガスジェット法で化学実験室に搬送し、配位子や酸化剤・還元剤を含む溶液に溶解して錯形成させた後、溶媒抽出法と放射線計測により分離分析する。まず、7族元素に特徴的な+7価の化学種である過ボーリウム酸イオンの形成について調べた後、Bhのより低い酸化状態への還元に挑戦する。Bhの酸化状態や化学形の変化を溶媒抽出における分配比の変化として観測し、同族元素のTcやReのデータ、相対論的量子化学計算と比較することにより、Bhの化学種や安定な酸化数を導出する。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、連続溶液化装置の改良を試みた。本装置は90gNb(半減期14.6時間)や178aTa(半減期2.36時間)のような長寿命核種に対しては80%以上の高い溶液化効率を示すのに対し、90mNb(半減期18.8秒)のような短寿命核種の溶液化効率は約50%と低い。これまでの実験から、短寿命核種の溶液化効率が低い原因は、ガスジェット搬送物が水溶液と接触して溶解するのに10秒から20秒程度の時間がかかっているためであると考えられる。今回,ガスジェット搬送物と水溶液を迅速に、かつ効率良く混合するため、3種類の気液混合部を製作した。核反応生成物はキャリアガスとともに内径2 mmのテフロンチューブを通って搬送される。ガスジェット搬送物と水溶液が90度の角度で合流した後、1つは内径2 mmのまま連続溶液化装置に入り、他の2つは内径2 mmから1 mm、または内径2 mmから1 mm、さらに0.5 mmと徐々に径を小さくしながら連続溶液化装置に入る。これら3種類の気液混合部を連続溶液化装置に取付け、ガスジェットガスと水溶液を流したところ、いずれも気液分離ができることを確認した。 また、フロー液体シンチレーション測定用のセルも改良し、GARIS IIIに48Vビームを通している時の速中性子やγ線のバックグラウンド計数率の評価も行った。ビーム照射中とビームOFF時とで、αおよびβイベント領域の計数率に有意な差が見られなかったことから、速中性子やγ線による超重元素検出の妨害は小さいと考えられる。
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