研究課題/領域番号 |
19K20609
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
佐藤 大輔 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (40780086)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 電子加速 / 高周波加速管 / 誘電体 / 誘電体アシスト型加速管 / 二次電子放出係数 / DLC / セラミックス / 加速管 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、常伝導加速管を超える高い加速効率と超高電界加速を可能にする誘電体アシスト型加速管の開発であるが、その実現のために、(1)高誘電率誘電体の選定とその基礎物性(複素誘電率、2次電子放出係数など)計測を重点的に行い、それらの計測で得られた結果をもとに(2)加速管の高周波・機械設計と製作、(3)低電力高周波測定・高電界試験による加速管性能の評価まで実施する計画である。
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研究成果の概要 |
本研究は、既存の金属加速管における電力効率や最大加速電界などの加速管性能の限界を超える電子加速技術として、誘電体アシスト型加速管という新たな高周波加速管を開発し、その性能向上に取り組んだ。本研究では、特にMgOセラミックスの表面をダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングすることで、余剰の誘電損失を発生することなく、2次電子放出係数を大幅に低減化することに成功した。その結果、DLCコーティングを施した誘電体セルからなる誘電体アシスト型加速管において、高い電力効率を維持したまま10 MV/m以上の加速電界の励振に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本加速管の性能は、常伝導加速管の4倍以上の加速効率を有しており、既存の常伝導加速管を本加速管に置き換えるだけで、必要電力を1/4に低減化することができる。また、誘電体の材料費が安価であることから、加速管の製造コストも常伝導加速管の1/3程度で済んでしまう。さらには、高周波電源の小型化が可能となり、加速器システム全体の小型化、省電力化、低価格化が期待され、従来は困難であった加速器の可搬型などが比較的簡単に実現できる可能性がある。その結果、高エネルギー電子ビームの利用範囲が大きく拡大することが期待され、学術面・産業面ともに大きな波及効果が期待される。
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