研究課題/領域番号 |
19K20613
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 木更津工業高等専門学校 (2023) 埼玉大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
安井 希子 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 助教 (80607896)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 接近通報音 / 次世代自動車 / 準周期的な変動 / 認知容易性 / 認知可能距離 / 機械学習 / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
ハイブリッド車や電気自動車などの次世代自動車が低速走行する際に,自動車の接近を歩行者に知らせる音(車両接近通報音)の気づきやすさ(認知容易性)評価基準を確立することを目指す. 車両接近通報音の大きさや高さに対する要件はすでに法律で規定されているが,そのような単純な特徴だけではデザインの自由度が大きく,気づきやすい音であるか評価するためには多くの主観評価実験を実施しなければならない.そこで,音の代表的な特徴に限定して合成した通報音の認知容易性を測定し,その結果に対してディープラーニングを適用することで客観評価可能な手法の確立を目指す.
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研究実績の概要 |
これまで,認知容易性の評価精度向上のために学習データの拡充を行ってきた.米国運輸省のNHTSAがNNPRM(Notice of Proposed Rulemaking)で規定している接近通報音評価用の騒音や,住宅街の環境音を暗騒音として,防音室内で接近通報音の認知の反応時間を測定して認知距離を求めた.まず,予備実験として,各暗騒音環境下における各接近通報音の弁別可能な音圧レベルの範囲を測定した.その後,各刺激環境下において,接近通報音の認知時間を測定する実験を行い,認知時間から認知距離を推定した.なお,その際の車両の時速は20kmとした.屋外で測定した結果と比較したところ,認知距離が長くなっており,音の呈示レベルが実環境よりも大きすぎたことが原因と考えられた.よって,再度,主観評価実験を行って実環境に即した呈示レベルを検討している.また,適切な車両の接近感が得られるよう,別実験で測定した時速20 kmの走行音に基づいて各暗騒音に通報音を合成する方法も検討している.研究環境の変更や新型コロナウィルス感染症対策のため,ヒトによる評価実験が十分に行えず,統計分析に適した数の実験データを得れていない. 学習データ拡充に合わせて,認知距離の学習アルゴリズムの検討も行っている.対象とするデータは,過去に試験路で測定した認知距離と接近通報音である.検討したアルゴリズムは,サポートベクターマシンであり,認知距離を予測するサポートベクター回帰と,認知容易か否かの2値分類を行った.その結果,予測や分類はできるが,十分に信頼できるものではなかった.学習データ数不足がはやり課題となっていることを確認している. 以上の結果より,実験計画を見直して評価実験を効率よく実施すると共に,統計分析を進め,認知距離の学習データ拡充を目指す.そして,その学習データを用いて評価モデルの改善を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大だけでなく,研究環境の変更のため,屋外での計測や屋内での評価実験の実施が困難であり,データの拡充が十分に行えなかった.防音室内では,密になったり,換気扇を回すことで評価に影響を及ぼすことになったり,換気のために何回も実験を中断することで被験者一人当たりの実験時間が長くなったり,様々な障害があった.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症対策だけでなく,研究環境の変更のため,評価実験があまりできなかったので,予定よりも非常に遅れてしまったが,研究環境が整い,基本的な感染対策を行って評価実験を行うことで,認知容易性に対する評価手法確立のための教師データを収集する.そして,学習アルゴリズムの検討を行う予定である.
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