研究課題/領域番号 |
19K20617
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
下村 萌 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (50816048)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 行政デザイン / サービスデザイン / フィンランド / 子育て / 子ども / 家族 / 行政サービス / 社会デザイン / 行政 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は社会デザインの立場から、フィンランドの子育て支援ネウボラを参考に、日本の自治体が自らこれからの子育て支援を設計し継続的に発展できる方法論の確立を目指す。日本とフィンランドのフィールド調査と利用者の定量調査を行い、現状の課題を把握する。 研究成果として、利用者である子どもとその家族が真に求める日本の子育て支援を、行政職員と共創する指標を提示する。社会デザインとは、デザイン手法を用いて社会の仕組みと働きを合理的に設計するための方法論である。本研究の新規性は、行政やステークホルダーを巻き込み、これまでデザインが不十分なまま実装されている社会福祉の仕組みを見直し、利用者視点で再構築する点にある。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、妊娠希望者及び子育て世代が安心して妊娠・子育てができるよう、市民のニーズに適した行政の妊娠・子育て支援のモデルを探求し、行政機関に向けた参考指標を作成することである。本研究はコロナ禍で海外現地調査が計画通り実施できず、研究計画の一部をオンライン調査に変更したが日本とフィンランドの子育て家族へのインタビュー調査やアンケート調査、現地調査、子育て支援に関する社会システムの文献調査を行い、妊娠希望者及び子育て世代のニーズに応じた行政の妊娠・子育て支援のモデルを学術と社会実装の両方で提示することができた。 本研究の成果は博士論文「サービスデザインの視座に基づく行政の子育て支援サービスに関する研究 Parenting Support Service in Public Sectors from a Service Design Perspective」にまとめ、行政機関における子育て支援サービスをデザインするための基本要件を提示することができた。そのほか、研究成果は国際学会と学術誌に4本の論文を発表し、いずれも社会へ広く公開した。加えて、現在、国際学術誌Journal of Design Researchへ2稿投稿し査読中である。 研究成果として福津市と共同開発した「子育てサービスマップ」を社会実装した。開発後は毎年更新を続け現在も多くの子育て家族を支援しているほか、子育て支援を担う行政職員へのサポートにもなっている。「子育てサービスマップ」は2021年度(第15回)キッズデザイン賞を受賞した。さらに「子育てサービスマップ」から展開した「子育て支援ガイドブック」、「子育て支援アプリ」を総合した子育て行政サービスデザイン「福津市こどもの国:子育てサービスマップ、子育て支援ガイドブック、アプリ、市ウェブサイト」が2023年グッドデザイン賞を受賞した。
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