研究課題/領域番号 |
19K20627
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
土山 玄 お茶の水女子大学, 文理融合 AI・データサイエンスセンター, 准教授 (00755390)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 源氏物語 / 計量文献学 / テキストアナリティクス / 文化情報学 / デジタル・ヒューマニティーズ / テキストマイニング / デジタルヒューマニティーズ / 計量国語学 |
研究開始時の研究の概要 |
『源氏物語』は日本最古の長編物語であり、日本文学史上において重要な作品である。しかし、作者が単一であるのか、複数であるのか不詳であり、成立過程も定かではない。そこで本研究では青表紙本系の大島本を底本とするテキストデータを用い、『源氏物語』の文体的特徴に注目し統計的な分析を行うことで計量的な観点からこれらの問題に検討を加える。本研究を通じて、今後なされるであろう客観的な議論に耐えうる『源氏物語』各巻の文体についての透明性の高い資料を提出する。
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研究成果の概要 |
『源氏物語』は平安時代に成立した日本を代表する古典文学作品である。本研究では『源氏物語』のテキストデータを対象とし、統計的な手法を用いて計量的な観点から研究を行った。まず、本研究では『源氏物語』における作者問題の解決のために、単語の出現率などについて分析を行った。その結果、『源氏物語』の最終13巻と他の巻との間に相違は認められず、『源氏物語』は一人の作者によって書かれた可能性が高いと結論づけることができる。次いで、単語の共起状況を分析した結果、一部の連語が『源氏物語』の終盤の巻に多く出現することが分かった。すなわち、ここに『源氏物語』54巻における文体的特徴の出現傾向の変化が認められる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の欧米では人文学領域の研究対象について、自然科学の手法、すなわち統計学や情報学の手法を用いるデジタル・ヒューマニティーズは独立した学問領域として急発展を遂げている。その一方で、日本の古典文学作品を対象としたデータサイエンスの手法を用いた研究は十分に展開しているとは言えない。本研究もデジタル・ヒューマニティーズの研究の1つとして位置づけられることから、テキストアナリティクスなどのデジタル・ヒューマニティーズに加えて、国文学や国語学などの人文学と言った幅広い学問領域の発展に寄与できる可能性を有することが本研究の意義である。
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