研究課題/領域番号 |
19K20641
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
新里 高行 筑波大学, システム情報系, 助教 (00700163)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 自己組織化 / 統合情報理論 / 相互予期 / 臨界現象 / 魚の群れ / 集団現象 / 群れ / 内的因果関係 / 創発現象 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、特に魚や鳥の群れの代表的な振る舞いである形態形成、情報伝達、探索 行動の3つの振る舞いを同時に実現できる包括的アルゴリズムを解明することである。本研究では、申請者の提案する個体間の不完全な指示による相互作用モデルを包括的アルゴリズ ムの候補とし、他の2つの代表的アルゴリズムとの比較と、鮎の群れによる実験的評価を同時に行うことで、これまでのモデルに変わる新しい基盤となる群れのモデルの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、申請者は相互予期を通した曖昧な指示を通した群れモデルを構築した。本研究を通じて、互いに「おおよその位置」を把握することで、群れが一つに纏まることを助け、また、「おおよその位置」であるが故に群れが一つの状態にまとまりすぎるのを回避するという、一見相容れない状態を矛盾なく実現することに成功した。さらに、このような曖昧な指示は、実際に鮎の群れを構成する上で、個体数に応じたさまざまな構造を作り出すのに貢献していることを、データ分析を通じて示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で解読しようと試みた曖昧な相互作用とは、群れにいる他者の行動を未来を含めて大まかに知覚することであり、その知覚を通して一つの社会性を実現する。本研究において示したことは、そのような相互作用を持つ動物の群れは単なる足し算ではなく、常に異質なものを取り込みながら群れのあり方自体を変容させていくという開かれたプロセスであることを示唆するものである。我々の研究を通して、群れの個性に合わせた活用という道が開かれるかもしれない。
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