研究課題
若手研究
本研究では制御検出課題という新規な提案課題を用いて、これまでに全く検討されていない運動主体感に対するメタ認知を研究対象とする。近年、知覚課題におけるメタ認知をバイアスフリーに計測する手法が提案されたことによって、メタ認知に対する理解がこの十年間で飛躍的に向上した。本研究はメタ認知の分野の知見を利用し、独自な運動制御パラダイムと組み合わせ、運動と身体意識という分野で新たな研究焦点を作り出す。運動に伴う意識は、認知科学のみならず、哲学、神経科学、脳情報科学等多くの分野の興味を引き寄せ、運動学習、リハビリテーション、ロボティック等の分野で広く応用的な意義を持っている。
本研究は運動主体感に対するメタ認知、すなわち、「自分が制御している」という主観的な感覚に対してどのぐらい確信を持つのかという認識を研究テーマとし、運動主体感のメタ認知の行動レベルの特徴を解明し、さらにその神経基盤を解明することを目的とした。本研究は行動実験及び認知神経科学の手法を用いた。実験参加者が画面上の物体を制御する際に、制御した物体を検出する際の自信と問うことによって、正しい判断に対して高い自信を持ち、誤った判断に対する低い自信を持つというメタ認知の機能の敏感さを解明した。さらに、メタ認知の敏感さと実際の制御プロセスの関係性を解明した。
運動主体感(Sense of agency)とは、自分の意識で自分の行動を制御し、さらに外界の変化を引き起こしたという主観的な感覚を指す。メタ認知とは、自分の選択や判断に対する認識を指し、知覚判断という一次判断に使った情報をレビューし、自分自身の行動が正しいかどうか二次判断を行う過程である。一次判断からメタ認知の間に、情報がどのように利用されているのかがまだ未解明であるため、これまでに多くの研究者に注目されてきた。この運動主体感のメタ認知のメカニズムの解明は、多感覚統合、メタ認知の情報処理のメカニズムを理解するのに極めて重要である。
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