研究課題/領域番号 |
19K20645
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 公立諏訪東京理科大学 (2022) 豊橋技術科学大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
松田 勇祐 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 助教 (10805120)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 奥行き知覚 / 両眼立体視 / 絵画的奥行き手がかり / 3D映像 / HMD / 臨場感 / 両眼視差 / 立体視 / 視覚 / VR |
研究開始時の研究の概要 |
近年,3D映画や3D写真などの3D映像提示デバイスの発展が目覚ましい.しかし,多くのデバイスで用いられている3D提示手法は,疲労感などを引き起こすことが知られている.そこで本研究では,既存の3D提示手法とは原理が異なる「枠効果」を用いた手法に着目する.枠効果とは,観察対象である画像とは異なる奥行きに枠を付与したとき,その画像から得られる奥行き感が増すという現象である.しかし,この枠効果は観察対象の種類によって,その強度が変化することが明らかになりつつある.そこで本研究では,どのような条件のときに枠効果の強度が高まるかを調べ,3D映像観察時の疲労感などを低減する方法を開発することを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究は,観察対象(2D写真)の周りに奥行きの異なる枠を配置することで,観察対象の奥行き感が増加する現象,「枠効果」に焦点を当て,この枠効果を既存の3D刺激提示技術に応用することを目的としている.2022年度は,枠効果を実際使用されている3D映像提示デバイスに組み込むため,主流である両眼視差を用いた3D提示手法と,その「見え(奥行き感)」を比較する予定であった.特に研究開始時,広く普及していた3Dディスプレイに対する枠の効果を調べる計画であった. しかしながら,近年,3Dディスプレイにかわり,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の発展が目覚ましく,一般家庭にも普及し始めたことを鑑み,2022年度は大きく分けて二つのテーマで実験を試みた.一つ目のテーマは,予定通り「枠効果使用条件を精査」することである.すでに,「枠効果は個々の奥行き手がかりそれぞれに働くこと」が明らかになっている.この知見と実験の結果を合わせ,「多くの種類の奥行き手がかりを含む画像・映像使用時に枠を付与することでより効率的に枠効果を発現させることができる」と結論づけた.また,二つ目のテーマは,「HMDに対して枠効果は起こるのか」を調べることである.こちらは,枠の置き方などに制限があるものの「HMD使用時でも枠効果自体は存在する」ことが確認された.しかしながら,HMDに対する枠の付与が,奥行き知覚にどう影響を与えるかに関しては,さらに精査しなければならない問題である.そこで,次年度では,HMDと枠効果の関係性をさらに調べる予定である.3D映像提示デバイス(特にHMD)に,これまでの枠効果の研究で得られた知見を応用することで,枠効果を用いた3D映像提示デバイスの実用化へ向けた準備を行うことができると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は,これまでに明らかになった枠効果の知見を,既存の技術(3Dディスプレイなど)に応用することが目的であった.しかしながら,本研究の開始時と現在において,3D刺激提示技術が大きく進歩しており,現在その対応を行っている.具体的には,研究開始時に3D刺激提示方法の主流の一つであった「3Dディスプレイ」に代わり,現在は,「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)」を用いた3D刺激提示が,専門家の間だけではなく,民間にも幅広く普及し始めている.そのため,現在は今まで得られた枠効果に関する知見が,HMDにも応用可能かどうかを確認している段階である.以上より,全体の進捗状況はやや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
Covid-19の影響,およびここ数年の3D刺激提示技術の変革に対応するため,1年の研究期間延長申請を行った.この新たな1年では「HMDに対しての枠効果の影響およびその応用」というテーマで実験を行い,枠効果全体の知見をとりまとめたいと考えている.
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