研究課題/領域番号 |
19K20652
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2021-2022) 同志社大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
永野 茜 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 訪問研究員 (50823019)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 心的表象操作 / 道具使用 / 霊長類 / 齧歯類 / 進化 / 物理的因果理解 / 比較認知科学 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは,目の前にある物体を実際に手で触れることなく,その物体をイメージ(表象)し,その物体のイメージを心的に操作することで,実際にその物体を動かした後の位置や状態などを予測することができる。この心的表象操作と呼ばれる高度な能力によって,新奇な場面でも効率的な目標達成が可能となる。本研究では,同一の道具使用課題を用いて,鳥類(オカメインコ)や齧歯類(デグー),霊長類(フサオマキザル,リスザル)といった広範な種比較を行うことで,体系的な系統発生研究を進め,心的表象操作の進化過程を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究から,新世界ザルの1種であるコモンリスザルは,齧歯類ラットとは異なり,道具使用場面において餌の背後に何もないように見える選択肢を多く選択する傾向があるということが示された。本研究結果について,2022年に日本動物心理学会第82回大会にて発表した。リスザルを対象とした本研究の基となった,ラットの心的表象操作の研究結果について,合計4本の論文としてまとめ,発表した。更に,非ヒト動物の道具使用についてのレビューを行い,ラットの道具使用行動に関する研究代表者による研究をまとめた上で,国際的な比較心理学についてのハンドブックのうちの1章を執筆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リスザルを対象に道具使用行動について検証した研究は国内外でも稀であり,齧歯類と同様の課題を用いて齧歯類との直接的な比較を行ったのは本研究が初となる。今後は,他の霊長類や鳥類などといったより広範な種に対して同様の課題を実施することで,心的表象操作のより緻密な進化過程が解明されることが期待される。更に,本研究のような,動物の基本的な認知能力を検証する研究は,ヒトとヒト以外の動物が共生する社会の構築に貢献し得るという波及効果も期待される。
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