研究課題/領域番号 |
19K20656
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
谷川 聖 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (00823353)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 神経再生 / 再生医療 / 組織工学 / 神経組織工学 / ハイドロゲル |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経の再生は最も挑戦的な研究テーマの1つである。中枢神経組織は、神経細胞、グリア細胞の他に血管など間葉系細胞も混在し、細胞間相互作用を与えながら共存する複雑な組織構築をしている。また生体組織は100 μmに1本程度の血管を有しており、組織の生着には血管網が必須である。本研究では組織工学的アプローチから、細胞接着性を持つ粒子化ハイドロゲルをもちいて、血管構造を有する中枢神経組織の作製法を開発し、in vitroにおける生体環境を模倣したアッセイを可能にすること、そして構築した組織を生体に移植することで失われた神経機能を改善することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は脳の欠損病変に対してハイドロゲルを用いた新しい治療アプローチを開発することである。欠損に充填する基質の物性として、神経細胞に適したハイドロゲルの表面電位は正電荷と負電荷が1:1割合で構成された中性電位であることを発見した。この表面電位を有する多孔質ゲルにてin vitroで神経の3次元培養が可能であり、マウスの脳内へ移植することで宿主脳からの神経、グリア細胞の浸潤を誘導し、さらにVEGFを浸漬させることで血管形成が可能であった。留置されたハイドロゲルに外部から神経幹細胞を注入すると多くの細胞の生存が確認され、ハイドロゲル移植と細胞移植を組み合わせた二期的な脳再生手法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳は大事な臓器ですが、再生能力が低いため一度損傷すると元には戻りません。外傷、脳梗塞などにより毎年たくさんの方が亡くなり、また重篤な後遺症を生じます。脳再生は未だ医療応用されうる方法がないのが現状です。今回我々は新たに開発した両電性の多孔質ハイドロゲルと神経幹細胞を用いて脳の組織損傷後に生じる空洞病変の再生を試みました。この多孔質ゲルを埋め込むことで周囲から神経グリア細胞が侵入し、血管網も形成されることが判明し、さらに移植した神経幹細胞はゲルの内部で定着することがわかりました。本研究では脳再生に対する基質の開発、そして移植方法の改良により、脳再生の実現化への新たな一歩を提案します。
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