研究課題/領域番号 |
19K20663
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
波田野 明日可 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (20707202)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 心筋細胞 / 機械学習 / Image based modeling / 有限要素法 / マルチフィジックス解析 / 微細構造 / 形状抽出 / 数値解析 / 実形状 / 電子顕微鏡画像 / マルチフィジックス / 電気生理 / 形態 |
研究開始時の研究の概要 |
心筋細胞の微細構造は遺伝子変異や心不全等により,形態的変化(配置の乱れ)とともに生理的変化(酵素活性など)が生じ,機能的変化(収縮力の低下などの病理現象)が生じる.形態的変化および生理的変化と機能的変化の因果関係・メカニズムは未解明である. 本研究では機械学習を用いて実心筋細胞の電子顕微鏡3D画像より自動的に形状モデルを生成する手法を確立し,申請者が保有する電気生理・力学連成解析システムを用いて解析を行う.解析を多数行い統計処理することで細胞の個体差に依らない定量的評価を可能とし,細胞の形態的変化と生理的変化の影響を分離して評価することで病態メカニズム解明を目指す.
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研究成果の概要 |
正常マウスとMuscle Lim Proteinノックアウト(MLPKO)マウスの心筋細胞の3次元電子顕微鏡画像に対し,機械学習を用いて自動形状抽出に成功した.さらにシミュレーション可能なメッシュとする手法を確立した. 正常マウスとMLPKOマウス両方について,マウス心筋細胞の実形状を反映した形状モデルを用いて力学電気生理連成解析を行い,膜電位やCa動態といった電気生理現象や,収縮現象の再現,比較を行った.MLPKOマウスでは凝集したミトコンドリアの存在により拡散現象が阻害され,Ca2+濃度空間勾配が正常マウスよりも大きくり,収縮力に偏りが生じ,効率が低下することが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では心筋細胞の電子顕微鏡画像から機械学習を用いて形状を抽出し、解析可能なメッシュを構築することに成功した。学術的には、近年広がりを見せる画像ベースの解析の中で常に課題となる、メッシュ構築の困難さを克服する一つの手法を示すことができた。また心筋細胞における電気・生理・力学連成現象を実形状の中で再現したのは本研究が初めてである。正常マウスと構造タンパクのノックアウトマウスの比較においては、病理状態で頻繁に観察されるミトコンドリア凝集が収縮力低下につながるメカニズムを解明し、心筋細胞の病理状態解明に貢献した。
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