研究課題/領域番号 |
19K20664
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小沢 文智 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (00739120)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ハイドロゲルカプセル / マイクロ流体デバイス / 細胞移植 / 再生医療 / 組織工学 / ハイドロゲル |
研究開始時の研究の概要 |
iPS 細胞の効率的作製が進み、分化誘導により多様な体細胞を作ることが可能になってきている。これらのiPS由来体細胞を組織工学や再生医療に実用化するためには、いかに機能的かつ安全な組織を作製するかが重要な課題となる。そこで注目すべきなのが、全身の様々な臓器や組織において、その形成・維持といった重要な役割を果たす「血管」である。 本研究では、マイクロ流体デバイスを用いて、中心に配置した血管内皮細胞から血管網を構築し機能的かつ移植安全性をもつマクロサイズの組織作製を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究において、マイクロ流体デバイスを用いて、複数の細胞種を同時に空間制御してカプセル化したマルチコアーシェル型の細胞ファイバーを開発した。このファイバーを用いて血管内皮細胞と肝細胞をカプセル化した肝組織モデルを構築することができた。さらにヒトiPS細胞由来膵島をカプセル化したマルチコア-シェル型細胞ファイバーを作製し、それを糖尿病モデルマウスへ移植し血糖値制御ができた。通常、移植片のサイズが大きくなると細胞に対する酸素や栄養供給の問題から移植片として機能を保つことが難しいが、シェルの近傍に細胞を配置できるマルチコア-シェル型細胞ファイバーでは十分な機能を保つことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マルチーコアシェル型細胞ファイバーは、細胞の位置を空間的に制御することができ、肝臓や膵臓といった複雑な組織を3次元構築することに有用であると考える。 また、移植片としてサイズを制御したマルチーコアシェル型細胞ファイバーは異物反応を起こしにくく、また腫瘍形成を起こさずかつ緊急時に取り出しも可能であることから、ヒトiPS細胞由来膵島をはじめとしたヒトiPS細胞由来分化細胞を安全に移植することが可能である。今後は移植片の構造や使用しているハイドロゲルの最適化により、様々なヒトへの臨床応用が期待される。
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