研究課題/領域番号 |
19K20665
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 埼玉大学 (2020) 東京医科歯科大学 (2019) |
研究代表者 |
松崎 賢寿 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (50830527)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光技術 / 細胞膜 / 硬さ / イメージング / 発生 / 疾病 / 臓器 / 膜の硬さ / 疾病化 / 炎症 / Laurdan / 分化 / 顕微鏡法 / 細胞膜物性 / 流動性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、肝臓の炎症反応において、細胞膜が軟化することの重要性が示唆されているものの,複数種の細胞が関与するようなヒト肝臓モデルが存在しなかったため、「細胞膜の軟化がヒト肝臓の炎症を誘起させ得るか」といった問いは未解決なままである。そこで本研究では、細胞膜の軟化度のタイムラプス解析法をミニ肝臓モデルによる線維化の再現系に適応し、細胞膜の軟化に基づく新規炎症メカニズムの解明を目指す。 膜物性の定量評価には申請者が熟練している膜流動性評価法(Matsuzaki et al., Stem Cell Reports 2018)を用いる。
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研究成果の概要 |
肝臓が炎症を起こし、そこから線維化が進行する疾病化の過程においては、初期段階である炎症反応に細胞膜の硬さが関与することが示唆されてきた。しかし、複数種の細胞が関与するようなヒト肝臓モデルが存在しなかったため、実際に「細胞膜の軟化がヒト肝臓の炎症を誘起させ得るか」といった問いは未解決なままである。そこで本研究では、 複数種の細胞が関与するヒトのミニ肝臓創出法を生かして、その炎症過程における細胞膜の軟化過程を精細に可視化する顕微鏡システムを構築した。実際に細胞膜の硬さを計測すると、ヒトのミニ肝臓においても一気に細胞膜の硬さが軟化していることを初めて可視化した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝臓の炎症メカニズムに関しては分子生物学的な研究が先行しており、毒(細菌成分や過剰のアルコール・脂肪)が細胞膜のタンパク質に結合して起こる緩やかな反応に着目が置かれている。しかし、ヒトの肝臓モデルが無かったため、既存研究は単一種の細胞に強く依存して行われていた。一方で本研究ではヒトのミニ肝臓を対象に、構築した顕微鏡システムを用いて細胞膜の硬さの精密測定が可能である。これによって生物学的なアプローチだけでは見えてこなかった炎症・線維化のメカニズムを物理化学的なアプローチからも切り込み、新規炎症メカニズムの解明につながる重要な課題と考えられる。
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