研究課題/領域番号 |
19K20666
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
田村 和輝 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 助教 (40822614)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 生体計測 / 超音波計測 / 質量イメージング / 定量的組織性状評価 / 超音波顕微鏡 / 弾性イメージング / 質量顕微鏡 / 質量スペクトル / 音響特性 / マルチモダリティ |
研究開始時の研究の概要 |
“硬さ”を指標とした臨床診療は古くから日常的に行われてきたが,その技術習得は難しい.また,超音波診断装置やMRIを用いた硬さ可視化技術の空間分解能は10 mm程度と低く,これよりも小さな病変の集合体としての特性を示しているため,細胞スケールでの理解を促進するためには新たな硬さ研究の方法論が必要となる. 本研究では,質量顕微鏡を使用してマウス脳の脳腫瘍部位を含む試料を対象に分子情報による詳細な病期ステージングを行い,超音波顕微鏡で収集される硬さ情報との関連性を検討する.
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研究成果の概要 |
本研究では,脳腫瘍組織を対象に硬さを指標とした病理標本の理解を目指し,硬さと分子分布との対応を検討した. 硬さの計測には広帯域集束超音波を用いた超音波顕微鏡を使用し,硬さの指標として体積弾性率に関係する固有音響インピーダンスおよび縦波音速の二次元像を使用した. 分子分布は質量顕微鏡を用いて二次元的に取得した.質量顕微鏡では質量スペクトルを取得し,脂質に注目して分布を同定した.これらの二つの計測によって得られた生体組織の硬さと分子の関係性をから,硬さ分布と腫瘍に関係を持つ分子の分布に相違があることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪性肝疾患の肝臓を対象に組織に含まれる分子と硬さの関係について検討が行われた例が報告されている. 脂肪性肝疾患の特徴はびまん性の疾患である点であり試料全体で比較的均質である. 本研究ではラットの脳内の一部に局在する腫瘍を計測対象として,病理学的に腫瘍領域・周辺領域・非腫瘍領域の3つの領域の分子分布と硬さ分布を計測して比較した.分子分布では周辺領域の脂質近傍領域からも腫瘍に関係する脂質が検出されたが,硬さの面では周辺領域と非腫瘍部の違いは小さかった.以上の結果より組織の硬さの変化は脂質の蓄積だけでなく,細胞の構造的変化による変化の要因が強いことが示唆された.
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