研究課題/領域番号 |
19K20672
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石田 駿一 神戸大学, 工学研究科, 助教 (80824169)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 計算バイオメカニクス / 消化器系バイオメカニクス / 計算力学 / 数値流体力学 / 嚥下 / 嚥下障害 / 嚥下流動 |
研究開始時の研究の概要 |
嚥下流動は多くの器官運動と食塊運動が複雑に絡み合った現象であり,従来の観察と経験による医学的なアプローチでは嚥下機能の定量的な評価に至っていない.本研究では,力学ベースの新しい方法論として,医用画像を基にした嚥下流動の計算力学モデルを構築し,嚥下過程の力学的・運動学的メカニズムを解明する.種類や量などの食塊の条件および,器官運動や姿勢などの嚥下条件の違いによる嚥下動態の変化を流体力学変数によって整理・検討することにより,器官運動と食塊運動の力学的な相互作用を定量的に記述し,正常な嚥下とは何かを力学に基づき定義する.その知見に基づき最終的に嚥下機能の定量評価のための新たな力学的指標を提案する.
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研究成果の概要 |
数値流体力学と医用画像を用いて,三次元実形状の嚥下流動計算モデルを構築した.咽頭運動の適応が欠落すると咽頭圧が十分に生じず,高粘度の食塊の嚥下時や前傾姿勢での嚥下時に食塊の残留が多くなり,誤嚥リスクが増加することを示した.また,咽頭収縮が低下することで粘度の高い食塊において嚥下が困難になり,安定な嚥下のためには咽頭収縮による咽頭圧が重要であることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
嚥下機能が低下し,正常な嚥下が困難な状態を「嚥下障害」と呼ぶが,評価・診断指標は主観によるところが大きい.嚥下流動の詳細な様子を観察するのは困難であり,正常な嚥下においてさえどのような力学条件で達成されているのか十分明らかではない. 本研究では,嚥下流動のコンピュータシミュレーション(数値流体力学解析)により,正常な嚥下における力学条件に関する知見を得た.
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