研究課題/領域番号 |
19K20682
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
大澤 恭子 近畿大学, 生物理工学部, 助教 (30638193)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 関節軟骨 / 局所変形 / 有限要素解析 / 力学特性 / 軟骨軟化 / 軟骨下骨硬化 / 押し込み試験 / 放射光位相CT / 初期軟骨変性 / 動的局所変形 / 放射光位相差CT / 粘弾性特性 / 微細構造 / 数理モデリング / 関節疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会における健康寿命の延伸を阻害する最大の阻害要因は運動器の障害である.運動器である骨・軟骨の不可逆な病変を惹起する関節疾患には,できる限り早期の対処が重要である.股関節など荷重支持関節の関節疾患病変には力学的因子の影響が大きい.特に変形性関節症では骨よりも先に軟骨の病変が発現するとされるが,軟骨力学特性が変化する段階はこれまで無症候とされてきたため,軟骨病変と骨病変との因果関係に関する研究はきわめて不十分である.本研究は “微細構造に基づく軟骨力学モデル”を用いて軟骨の力学特性変化に起因する関節疾患の発症・進展メカニズム解明を目指す.
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研究成果の概要 |
軟骨力学特性変化に起因する関節疾患の発症・進展メカニズムを立証するために,軟骨変性の影響を詳細に解析できる微細構造に基づく軟骨力学モデルによる応力解析を試みた.微細構造に基づく軟骨力学モデルの入力データとして,X線位相差ダイナミックCTを応用し,繰り返し圧縮による変形を受ける関節軟骨組織内の有用な実測データを蓄積した.軟骨の局所的な軟化として,表層の弾性係数の低下による影響を評価した.股関節表面に軟骨層を模した解析を実行したが,軟骨層モデルでは要素分割アルゴリズムの限界から軟骨層は1層しか再現できなかった.独自の関節軟骨モデルによる軟骨下骨そして骨部分の再現が課題となった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軟骨の力学特性(弾性係数)の変化と力学環境(ひずみ)との因果関係を定量的に評価可能な関節疾患モデルの実現を本課題の学術的問いの一つとして位置付けているが,最も重要視していることは今までできなかった組織変性の影響を詳細に解析することにより,軟骨力学特性変化が起源となる関節疾患の発症・進展メカニズムを明らかにすることである.本研究のように軟骨内部の特性変化に着目した研究はほとんど行われていない.今回は関節構造が単純な股関節を対象として関節疾患モデルを実証するが,他の対象部位の医用画像を用いれば膝,肩,脊柱などの関節への応用性も充分に考えられる.
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