研究課題/領域番号 |
19K20683
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 広島大学 (2021) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019-2020) |
研究代表者 |
矢田 祐一郎 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 研究員 (80805797)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脆弱X症候群 / 疾患特異的iPS細胞 / 多点電極アレイ / 活動多様性 / 神経細胞 / パターン解析 / 神経同期活動 |
研究開始時の研究の概要 |
脆弱X症候群(FXS)は遺伝性疾患で、学習障害やワーキングメモリ機能の低下などの認知障害を生じる。しかし、そのメカニズムは未だ詳しくは分かっていない。本研究は、FXSの神経細胞集団では活動パターンに異常が生じているという仮説を立て、FXS患者iPS細胞由来の神経細胞の活動を計測し、検証する。また、活動パターンを指標として病態改善に有効な薬剤を探索できる可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
脆弱X症候群 (FXS) は学習障害、認知障害などが生じる遺伝性の疾患であるが、どのような電気生理的基盤に基づいて生じるのか完全には解明されていない。本研究では疾患特異的iPS細胞から分化誘導した神経細胞と多点電極アレイ、パターン解析技術を用いてFXSの電気生理的異常を明らかにすることを目指した。初めに、準備した細胞株がFXS特異的な遺伝子型・表現型を持つことを確認した。FXS患者由来の神経細胞は健常者由来に比べて高い発火率を示し、先行研究で報告された発火率上昇が使用細胞株でも認められた。また、FXS患者由来神経細胞・健常者由来神経細胞神経同期バーストが発生する時期にばらつきが見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脆弱X症候群患者ではFMRPタンパクの発現が消失し、シナプス・イオンチャネルで様々なタンパク質が過剰発現する。FMRP消失が認知障害を引き起こす生理的なメカニズムは複雑であり、詳細は明らかでない。本研究においてFXS患者由来iPS細胞およびiPS細胞から分化誘導した神経細胞に対する電気生理計測系・取得した計測データ解析系の構築・基礎的な評価を実施し、使用した細胞でFXSでの電気生理的な異常を同定する手がかりとなるような示唆を得た。
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