研究課題/領域番号 |
19K20696
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中西 秀之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (90722885)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | mRNA医薬 / 遺伝子治療 / 合成生物学 / 翻訳 / 遺伝子発現制御 / 発現制御 / 人工遺伝子回路 / 細胞選別 / 翻訳制御 / 光遺伝学 / メッセンジャーRNA |
研究開始時の研究の概要 |
DNAの代わりにメッセンジャーRNA(mRNA)を遺伝子導入に用いると、ゲノムに変異を起こす危険性を大幅に下げることができるが、一方で遺伝子発現の時間・部位や細胞種を限定することが困難になる。本研究では、配列特異的RNA結合タンパク質と翻訳制御タンパク質それぞれに光応答性ヘテロ二量体化ドメインを融合させることで光翻訳制御タンパク質を構築し、これを用いてmRNAからの遺伝子発現の部位・時間を光により制御可能にする。更に、光翻訳制御タンパク質と制御対象mRNAの結合が細胞種特異的な内在タンパク質により阻害されるよう設計することで、時間・部位に加え細胞種特異性も備えた発現制御システムを構築する。
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研究成果の概要 |
mRNA医薬は治療効果を持つ任意のタンパク質を生体内の細胞に産生させることができるが、治療対象と異なる細胞での治療用タンパク質産生や過剰量の産生は副作用の原因となり得る。そこで本研究では、mRNAからタンパク質への翻訳を光や特定の細胞内タンパク質に応じて制御するシステムを開発した。これにより、光を照射した部位の細胞や、特定のタンパク質を発現している細胞選択的に治療用タンパク質を産生させることが可能となる。更に、治療用タンパク質を不活化状態で産生させ、その特定の条件下でのみ活性化させる手法も開発した。これらの技術により、高い効果と低い副作用を両立するmRNA医薬が実現すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
翻訳段階ならびに翻訳後段階でmRNA医薬を制御し標的細胞選択的な治療遺伝子発現を可能にした本研究成果は、正常細胞への影響を抑えつつがん細胞を死滅させるといったような、高い治療効果と低い副作用を兼ね備えたmRNA医薬の実現に貢献するものと考えられる。 また、mRNA医薬を直接投与する以外にも、再生医療・細胞治療の準備段階において移植したい細胞種だけ残して副作用の原因となる細胞種は死滅させるといった利用法も考えられる。同様に、ドラッグスクリーニング等の研究に用いる細胞種を様々な細胞種が混在した集団から選別といった応用も可能である。 以上のように、本研究成果は様々な治療法の発展への寄与が期待できる。
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