研究課題/領域番号 |
19K20706
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
江田 廉 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (40734273)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 超音波援用ドラッグデリバリシステム / ナノバブル / 高感度検出 / パルスインバージョン / 医用超音波システム / 計測システム / 微小気泡 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請では高感度観測が可能な気泡信号計測技術の確立と小動物を用いた評価実験を目的として研究を進める。本研究では、気泡から能動的に放射される超音波信号を可視化するという独創的な画像の生成原理に加え、高感度化のための信号処理の適用により大幅な感度向上が見込まれる。手法の高感度検出を活かし、細胞に結合する極微少量の気泡からの微弱な信号の検出や、励振用超音波の低音圧化による気泡破壊を伴わない検出手法など、応用開拓を図る。最後に動物実験による評価実験を行い、ナノバブル気泡製剤を用いた超音波DDSの実現に向けて必要不可欠な高感度検出技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
生体内の薬物濃度を制御するDDSにおいて、気泡のナノサイズ化および低音圧超音波送信に伴う低出力化により検出感度の低下が懸念されるため、従来に比べ格段の高感度観測が必要になる。本研究では、これまでに開発した波動逆伝播に基づく映像化法を応用し、超音波パルス反転送信の時間間隔を従来のミリ秒オーダーからマイクロ秒オーダーに短縮した新たなパルスインバージョン法(時分割PI法と呼ぶ)を適用する方法を開発した。結果、本手法は従来のBモード観測法に比べおよそ1/5の音圧にも関わらず、100倍高い感度をもつことを確認し、ナノバブル検出にも有効であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本手法の特徴であるマイクロ秒オーダーの反転送信の複数回加算により、従来のBモード観測法に比べ1/5の音圧で100倍高い感度をもつことを確認した。低音圧超音波送信に伴う低出力化により新たな応用が考えらえれる。低音圧化が達成されれば製薬分野での気泡製剤開発の発展に寄与するだけでなく、近年骨折治療などで注目されている低音圧超音波治療への応用が可能となり、低出力・高感度な「新たな検出法」を開発・実現する可能性がある。今後の発展により、ナノサイズ化した気泡を破壊することなく深部癌の超早期発見が可能になるなど、気泡観測だけでなく、革新的な治療診断技術創出を拓く基盤技術になる。
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