研究課題/領域番号 |
19K20715
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
石井 信之 宮崎大学, 医学部, 研究員 (80648410)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 振戦 / スマートフォン / 動画 / 甲状腺機能亢進症 / 本態性振戦 / 小脳失調 / パーキンソン病 / 動画解析 / 神経診察 / 歩行 / 定量化 / 機械学習 / AI |
研究開始時の研究の概要 |
人工知能(以下、AI)は画像解析を中心に、医療現場への導入が進みつつある。しかし、神経疾患の管理で最も重要となる神経診察は、それから得られる情報を医師の高度専門性で定性的・半定量に解釈する必要があるため、AI処理が極めて困難な領域である。本研究では「震え(振戦)」動画解析を基に、スマートフォン上での動画撮影・解析と医師による主要な情報の選別によって診察の定量化を実現し、「震え(振戦)」と「歩行異常」の診断補助ツールを開発し、さらに、診察解釈の定量化手法を用いて小脳機能異常への神経生理学的介入の定量的評価を行う。本研究の完成によって神経診察へのAI導入の足がかりとする。
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研究実績の概要 |
①作成した螺旋描画スマートフォンアプリケーションを用いて実臨床での有用性を確認した。神経内科専門医による判断とアプリケーションの診断はほぼ一致すると思われた。治療効果を定量化して患者に示すことで、患者の満足度も上昇している印象である。これらをデータとして収集し、統計学的処理、論文化を目指す予定である。 ②上記スマートフォンアプリケーションを用いて、甲状腺機能亢進症による震えを評価した。診断は本態性振戦と正常パターンがほぼ同じ確率であった。甲状腺機能亢進症による振戦は純粋な末梢性と思われるため、このパターンを学習させ、震えを小脳パターンと末梢パターンに分類させるプログラムを開発する予定である。そして、本態性振戦の由来についての評価、および投薬反応性について評価する予定である。現在は、治療前の甲状腺機能亢進症、かつ、手の震えを自覚する患者に、螺旋描画を実施、治療の反応性を確認している段階である。 ③パーキンソン病の震えの評価をビデオ動画を使用して解析した(宮崎大学工学部との共同研究)。去年までの研究を応用し、パーキンソン病の振戦には一定のパターンがあり、それにより動画で判別することが可能となった。今年度は動画から重症度評価を行うこともできるようになった。現在は、足の動き(タッピング動作)や歩行パターンによるパーキンソン病の特徴を解析中であり、同研究の完成により、全身を移した動画を用いることで、全身の動きから導き出される診断や治療効果、症状の重症度などの定量データを取得できるようする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スマートフォンを用いたらせん描画解析、実診察の動画を用いた情報抽出および定量化、さらには今年度は動画による振戦の重症度の評価も可能となった。パーキンソン病の歩行解析と足タップはデータ集積が完了し、解析段階に至っている。
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今後の研究の推進方策 |
パーキンソン病の足タップと歩様の動画解析と論文化、開発したアプリケーションを用いた本態性振戦の病態解析を引き続き実施する。
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