研究課題/領域番号 |
19K20716
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
齊藤 夏彦 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30790290)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 超音波加温 / 組織性状診断 / 組織定量化 / 癌治療効果判定 / 音速変化率 / 癌治療 / 治療効果予測 / ラット癌モデル |
研究開始時の研究の概要 |
固形がんに対して抗がん剤治療を行った際、腫瘍内部の組織性状に変化が生じ、その後遅れて腫瘍サイズが縮小する。治療後早期に微細な組織性状を定量的に評価することができれば、早期治療効果予測が可能になる。近年超音波照射により熱を発生させ、生体組織を超音波加温する手法が注目されているが、加温前後の単位時間あたりの音速変化率は超音波強度を一定に保てば、組織により固有の値を有する。 本研究では、抗がん剤治療後の組織の音速の温度係数と音速変化率をin vitroおよびin vivoで計測し、組織学的変化と比較検討する。微細な組織性状の変化を定量的に評価し、治療の早期効果予測を行い、治療成績向上を目標とする。
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研究成果の概要 |
肝癌に対する経カテーテル的動脈塞栓術(TACE)治療後の効果判定は、癌に集積したリピオドールの程度をCTで画像化して行う。しかし、CTには被曝の問題があり多用するべきではない。そこで、近年注目されている超音波加温を使ってTACE後の効果判定を試みたのが本研究である。生体物質が超音波加温を受けた際に性状が変化することは良く知られており、これを用いてリピオドールと残存腫瘍の評価ができないか評価を試みた。癌を植え付けたラットにTACEを施行し、治療効果をCT、超音波加温、病理組織で比較検討したところ、超音波加温の測定値はCTでの測定値と遜色ない値であり、今後CT装置の代用となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TACE後の効果判定として長い間CTしか使用されてこなかったこの分野で、新たな評価方法が使用できる可能性が出たのは非常に学術的に有益な点である。CTは被曝の問題があるが、超音波はその心配がない点でも画期的な発見である。 また癌患者は一度癌を発症すると、終生に渡りフォローアップの画像診断を受けなくてはならない患者が多く、医療コストやひっ迫する検査数を緩和するためにも、超音波加温による診断法が普及すれば有益である。
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