研究課題/領域番号 |
19K20734
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
野村 修平 帝京大学, 公私立大学の部局等, 助教 (00825432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Photoswitch / 光学的神経刺激法 / 人工感覚器 / 体医工学 / 医療技術評価 / 安全性評価 / 生体医工学 |
研究開始時の研究の概要 |
喪失した感覚機能の再建を目指し,外界情報を直接脳や神経に伝える神経刺激法の医療応用に向けた研究が盛んに取り組まれている.近年,光感受性有機化合物による神経細胞への光応答性効果を利用した光学的神経刺激法(photoswitch)が,高密度神経刺激法として提唱されている.しかし,喪失した感覚機能の回復に対する有効性や長期間刺激に対する安全性は十分に検証されていない.本研究では,神経系培養細胞と遊離網膜組織を用いたin vitro評価,および実験動物を用いたin vivo評価により,photoswitchによる光学的神経刺激法の有効性と安全性を検証する.
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研究実績の概要 |
失われた感覚機能の再建・治療を目指した神経刺激技術に関する研究が盛んに取り組まれている。既に実用化されている人工内耳や人工網膜では、生体内に埋植した金属製微小電極を介して神経を電気刺激する。しかし、電極の微細化には物理化学的な限界があるため、電気刺激方式では高密度の神経刺激は原理的に困難である。この問題の解決策として、光薬理学的神経刺激法(photoswitch)が提唱されている。細胞膜イオンチャネルに結合する光活性化合物の利用により、神経細胞に光応答性を付与することができる。これにより、光による高密度神経刺激を実現できる。本研究では、photoswitchの有効性および安全性を検証する。
本年度はDENAQ(化合物[1])の合成に成功した。化合物[1]は、昨年度合成に成功したBENAQと類似構造を有する低分子化合物であり、2つの中間生成物〔アミノ基(-NH2基)を有するアゾベンゼン第4級アンモニウム誘導体(化合物[2])、カルボキシル基(-COOH基)を有するTriethylgricine(化合物[3])〕のカップリング反応〔アミド結合(-NHCO-)形成反応〕によって合成される。本研究では、反応性の低いカルボキシル基(-COOH基:化合物[3])を酸塩化物(-COCl基:化合物[4])に活性化し、これを化合物[2]と反応させる合成手法をとる。しかし、化合物[4]は化学的に不安定であり、大気中の水分や酸素により容易に分解してしまう点が合成プロセス上の課題であった。この課題に対し、昨年度構築した禁水・脱酸素環境下での合成プロセスを適用することで、目的化合物DENAQの合成にも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
化学的に不安定な中間生成物が合成プロセス上の課題であり、その対処に時間を要した。 加えて、化合物[1]の分離精製条件の検討に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
光活性化合物の合成条件および分離精製条件を最適化し、生理活性評価に適した高純度の化合物試料を得る。 加えて、光活性化合物の生理活性評価系を構築する。各種実験条件(細胞培養条件、光活性化合物の添加条件、光刺激条件(光照射強度、光照射時間、タイミング)等)の最適化を行う。
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